ftw - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表
- 名前
- 書式
- 説明
- 返り値
- 注意
- 準拠
- 例
- 関連項目
名前
ftw, nftw - ファイルツリーを歩きまわる
書式
#include <ftw.h>
int ftw(const char *dirpath,
int (*fn) (const char *fpath, const struct stat *sb,
int typeflag),
int nopenfd);
#define _XOPEN_SOURCE 500#include <ftw.h>
int nftw(const char *dirpath,
int (*fn) (const char *fpath, const struct stat *sb,
int typeflag, struct FTW *ftwbuf),
int nopenfd, int flags);
説明
ftw
()は、
dirpath
で指定されたディレクトリ以下のディレクトリツリー全体を歩きまわり、
ツリー中でエントリが見付かるごとに、
fn
()を呼び出す。
デフォルトでは、ディレクトリそのものが、そのディレクトリにあるファイルや
サブディレクトリよりも先に処理される (行きがけ順探索; pre-order traversal)。
呼び出し元プロセスが利用可能なファイルディスクリプタを使い切って
しまわないようにするため、
ftw
()が同時にオープンするディレクトリの最大数を
nopenfd
で指定することができる。
探索の深さがこの値を越えると、
一つのディレクトリを閉じてから他のディレクトリをオープンし直すこと
になるので、
ftw
()の動作は遅くなる。
ftw
()は、ディレクトリツリーの階層 1 レベルにつき、
最大でも一つのファイルディスクリプタしか使用しない。
ディレクトリツリーで見つかったエントリ毎に、
ftw
()は
fpath
,
sb
,
typeflag
の 3つを引き数として
fn
()を呼び出す。
fpath
はエントリの
dirpath
からの相対パス名である。
sb
は
fpath
に対する
stat
(2) の呼び出しで返される
stat
構造体へのポインタである。
typeflag
は整数で、以下の値のいずれか一つである:
-
FTW_F
-
fpath
が通常のファイルである
-
FTW_D
-
fpath
がディレクトリである
-
FTW_DNR
-
fpath
が読み込みできないディレクトリである
-
FTW_NS
-
シンボリックリンクではない
fpath
に対する
stat
(2) 呼び出しが失敗した。
fpath
がシンボリックリンクで、かつ
stat
(2) が失敗した場合、
FTW_NS
と
FTW_SL
(後述) のどちらが
typeflag
に渡されるかは未定義であると、POSIX.1-2001 には書かれている。
ツリーの探索を止めたい場合は、
fn
()が 0 以外の値を返せば良い
(この値は
ftw
()自身の戻り値となる)。
それ以外の場合は
ftw
()はツリー全体の探索を続け、すべてのツリーを探索し終えたところで
0 を返す。探索中に
(
malloc
(3)の失敗などの) エラーが起こると -1 を返す。
ftw
()は動的なデータ構造を用いるので、ツリー探索を安全に中断する唯一の方法は
0 以外の値を
fn
()の返り値とすることである。割り込みを扱うには、
例えば発生した割り込みをマークしておいて、 0 以外の値を返すようにする
シグナルによりメモリリークを起こさずに探索を終了できるようにするには、
シグナルハンドラで
fn
()がチェックするグローバルなフラグをセットするようにすればよい。
プログラムを終了させる場合以外は、
longjmp
(3) を使用しないこと。
nftw()
関数
nftw
()は
ftw
()と同じだが、引き数
flags
が追加される点と、
fn
()の引き数に
ftwbuf
が追加される点が異なる。
この
flags
引き数は下記のフラグの 0 個以上の論理和を取ったものである:
-
FTW_ACTIONRETVAL
(glibc 2.3.3 以降)
-
このフラグは glibc 固有である。
このフラグをセットすると、
nftw
()の
fn
()の返り値の扱いが変わる。
fn
()は以下の値のいずれか一つを返す必要がある。
-
FTW_CONTINUE
-
nftw
()は通常通り処理を続ける。
-
FTW_SKIP_SIBLINGS
-
fn
()がこの値を返した場合、処理中のエントリの兄弟 (同じ階層のエントリ)
の処理はスキップされ、親ディレクトリで続きの処理が行われる。
-
FTW_SKIP_SUBTREE
-
fn
()が呼び出されたエントリがディレクトリ
(
typeflag
が
FTW_D
)の場合に、この値を返すと
fn
()の引き数として渡されたディレクトリ内のエントリの処理が行われなくなる。
nftw
()は処理中のディレクトリの兄弟 (同じ階層のエントリ) から処理を続ける。
-
FTW_STOP
-
nftw ()
は、返り値
FTW_STOP
ですぐに復帰する。
他の返り値は将来新しい動作に対応付けられる可能性がある。
fn
()は上記のリストにある値以外を返さないようにすべきである。
<ftw.h>
で
FTW_ACTIONRETVAL
が定義されるようにするには、
機能検査マクロ _GNU_SOURCE を定義しなければならない。
-
FTW_CHDIR
-
セットされると、ディレクトリの内容を処理する前に
そのディレクトリに
chdir
(2) する。このフラグは、
fpath
が属すディレクトリで何らかの動作を実行する必要がある場合に
便利である。
-
FTW_DEPTH
-
セットされると、帰りがけ順探索 (post-order traversal) を行う。
つまり、ディレクトリそのものを引き数とした
fn
()呼出しは、そのディレクトリに含まれるファイルとサブディレクトリに
対する処理の「後で」行われる
(デフォルトでは、ディレクトリ自身の処理はディレクトリ内のエントリ
より「前に」行なわれる)。
-
FTW_MOUNT
-
セットされると、同じファイルシステムの中だけを探索対象とする
(つまり、マウントポイントをまたぐことはない)。
-
FTW_PHYS
-
セットされると、シンボリックリンクを辿らない (おそらくこちらが
通常望ましい動作だろう)。セットされていないとシンボリックリンクを
辿るが、同じファイルが二回報告されることはない。
FTW_PHYS
がセットされずに
FTW_DEPTH
がセットされると、自分自身に対するシンボリックリンクを配下に持つ
ディレクトリに対して
fn
()が呼び出されることは決してない。
ディレクトリツリーのエントリ毎に、
nftw
()は 4つの引き数で
fn
()を呼び出す。
fpath
と
sb
は
ftw
()と同じである。
typeflag
には、
ftw
()で取り得る値のいずれか、または以下の値のいずれかが渡される:
-
FTW_DP
-
fpath
がディレクトリで、かつ
flags
で
FTW_DEPTH
が指定されていた。
fpath
配下のファイルとサブディレクトリは全て処理が終わっている。
-
FTW_SL
-
fpath
がシンボリックリンクで、かつ FTW_PHYS
が flags
に
セットされていた。
-
FTW_SLN
-
fpath
がシンボリックリンクで、存在しないファイルを指している
(これがセットされるのは
FTW_PHYS
がセットされていない場合だけである)。
nftw
()が
fn
()を呼び出す際に渡す 4つめの引き数は
FTW
型の構造体である。
struct FTW {
int base;
int level;
};
base
は、ファイル名 (basename 要素) の、
fpath
で渡されるパス名の中でのオフセットである。
level
はディレクトリツリーでの
fpath
の深さを示す。深さはディレクトリツリーのトップ (root) からの
相対値である
(
dirpath
は深さ 0 である)。
返り値
これらの関数は、成功すると 0 を、エラーが発生すると -1 を返す。
fn
()が 0 以外を返した場合、ディレクトリツリーの探索を終了し、
fn
()が返した値を
ftw
()や
nftw
()の結果として返す。
nftw
()が
FTW_ACTIONRETVAL
フラグ付きで呼ばれた場合、ツリーの探索を終了させるために
fn
()が使用できる、非 0 の値は
FTW_STOP
だけであり、
この値は
nftw
()の返り値として返される。
注意
nftw
()関数と、
ftw
()における
FTW_SL
は、SUSv1 で導入された。
ftw
()で
FTW_SL
を一切使わないシステムや、
存在しないファイルを指しているシンボリックリンクの場合にのみ
FTW_SL
を使うシステム、また
ftw
()が全てのシンボリックリンクに対して
FTW_SL
を使うシステムもある。
予測可能な動作をさせるためには、
nftw
()を使うこと。
Linux では、 libc4, libc5, glibc 2.0.6 は
「stat できるがディレクトリではないオブジェクト」
(ファイル, シンボリックリンク, fifo 等)
に対してはすべて
FTW_F
を使う。
nftw
()関数は glibc 2.1 以降で利用できる。
FTW_ACTIONRETVAL
は glibc 固有である。
準拠
POSIX.1-2001, SVr4, SUSv1.
例
以下のプログラムは、一つ目のコマンドライン引き数を名前に持つパス以下の
ディレクトリツリーを探索する。引き数が指定されなかった場合は、
カレントディレクトリ以下を探索する。
各々のファイルについて様々の情報が表示される。
二番目のコマンドライン引き数に文字を指定することで、
nftw
()を呼び出す際に
flags
引き数に渡す値を制御することができる。
#define _XOPEN_SOURCE 500
#include <ftw.h>
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>
static int
display_info(const char *fpath, const struct stat *sb,
int tflag, struct FTW *ftwbuf)
{
printf("%-3s %2d %7lld %-40s %d %s\n",
(tflag == FTW_D) ? "d" : (tflag == FTW_DNR) ? "dnr" :
(tflag == FTW_DP) ? "dp" : (tflag == FTW_F) ? "f" :
(tflag == FTW_DP) ? "dp" : (tflag == FTW_SL) ? "sl" :
(tflag == FTW_SLN) ? "sln" : "???",
ftwbuf->level, (long long) sb->st_size,
fpath, ftwbuf->base, fpath + ftwbuf->base);
return 0; /* To tell nftw() to continue */
}
int
main(int argc, char *argv[])
{
int flags = 0;
if (argc > 2 && strchr(argv[2], 'd') != NULL)
flags |= FTW_DEPTH;
if (argc > 2 && strchr(argv[2], 'p') != NULL)
flags |= FTW_PHYS;
nftw((argc < 2) ? "." : argv[1], display_info, 20, flags);
exit(EXIT_SUCCESS);
}
関連項目
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- Linux ディストリビューション一覧
- rpm のファイル名にあるi386とかi686とは
- 自分のマシンの情報を調べる
- cron の設定
- ssh の root ログインを禁止する
- ssh を、ユーザ、IPでアクセス制限
- 鍵交換方式によるssh接続
- 鍵交換方式によるssh接続( windowsから )
- 複数ファイル内の文字列を置換して上書き保存する
- あるグループをイニシャルグループとするユーザー一覧出力
- 複数ファイルのファイル名を一括変換する
- 連番ファイルをコマンド一発で作成する
- 中身がランダムなファイルを任意のサイズで作成する
- Linux ユーザーアカウントをロック・アンロックする