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getlogin - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. エラー
  6. ファイル
  7. 準拠
  8. バグ
  9. 関連項目

名前

getlogin, getlogin_r, cuserid - ユーザー名を取得する

書式

#include <unistd.h>
"char *getlogin(void);"
int getlogin_r(char * buf , size_t bufsize );
#include <stdio.h>
char *cuserid(char * string );

説明

getlogin ()は、現在のプロセスの制御端末にログインしているユーザー名の文字列への ポインタを返す。ユーザー名が決定できない場合は null ポインタを返す。 文字列は静的領域に割り当てられており、この後でこの関数や cuserid () が呼び出された際に上書きされることがある。

getlogin_r ()は、上記の同じユーザ名を、大きさ bufsize の配列 buf に入れて返す。

cuserid () は、現在のプロセスの実効ユーザーID に対応するユーザー名の 文字列へのポインタを返す。 string が null ポインタ以外の場合、string は少なくとも L_cuserid 文字を保持できる配列でなければならない。 string が null ポインタの場合には、静的領域に置かれた文字列への ポインタが返される。この文字列は静的領域に割り当てられており、後で この関数や getlogin () が呼び出された際に上書きされることがある。

マクロ L_cuserid は integer の定数で、ユーザー名を保持するために 必要な配列の長さを示す。 L_cuseridstdio.h で宣言されて いる。

これらの関数を使うと、プログラムを実行しているユーザー (cuserid ()) や このセッションにログインしているユーザー (getlogin ()) を明確に特定す ることができる (ただし set-user-ID プログラムでは、状況が違うこともある)。

たいていの目的では、ユーザーの特定には環境変数 LOGNAME を調べ るほうが便利である。LOGNAME 変数はユーザーが自由に設定できるので より柔軟な対応が可能になる。

返り値

getlogin ()は成功した場合はユーザ名へのポインタを返し、失敗した場合は NULL を返す。 getlogin_r ()は成功すると 0 を返し、失敗すると 0 以外を返す。

エラー

POSIX では以下のエラーが規定されている:

EMFILE
呼び出し元プロセスがオープンしているファイル数がすでにプロセスあたりの 上限に達している。
ENFILE
システム全体でオープンしているファイル数がすでに上限に達している。
ENXIO
呼び出し元プロセスには制御端末がない。
ERANGE
(getlogin_r) (終端の NULL バイトも含めた) ユーザ名の長さが bufsize よりも長い。

Linux/glibc には以下のエラーもある。

ENOENT
utmp ファイルに対応するエントリがなかった。
ENOMEM
passwd 構造体を割り当てるのに十分なメモリがない。

ファイル

/etc/passwd	パスワードデータベースのファイル


/var/run/utmp (伝統的には /etc/utmp が使われている; libc の中には /var/adm/utmp を使うものもある)
/etc/utmp (か /var/adm/utmp 、あるいは最近では、 とにかくどこかにある utmp - 正確な場所は libc のバージョンによる)

準拠

getlogin ()と getlogin_r ()は POSIX.1-2001 で規定されている。
System V にも cuserid () があるが、 これは実効ユーザー ID ではなく、実ユーザー ID を使用する。 cuserid () 関数は 1988 年版の POSIX には含まれていたが、 1990 年版では削除された。 SUSv2 に存在したが、POSIX.1-2001 で削除された。

OpenBSD には getlogin () と setlogin () があり、 セッションに対応したユーザ名がある。制御端末がない セッションの場合であっても、対応するユーザ名がある。

バグ

残念ながら、 getlogin ()をだますのはそれほど難しいことではない。別のプログラムが utmp ファイルを 壊してしまうと、全く動作しないこともある。またログイン名の最初の 8 文字 しか返さないことも多い。またプログラムを制御している tty に 現在ログインしているユーザーは、プログラムを実行した ユーザーでない場合もある。 セキュリティの絡む用途には getlogin ()を用いるべきではない。

glibc は POSIX 仕様には従っておらず、 /dev/tty ではなく "標準入力 (stdin)" を使う。これはバグである。 (SunOS 5.8 や HP-UX 11.11 や FreeBSD 4.8 といった他の最近のシステムはいずれも、 標準入力 がリダイレクトされた場合でもログイン名を返す。)

cuserid ()が何を行っているのか、実際のところを知っている者は誰もいない; 移植性が求められるプログラムでは cuserid ()は使うべきではない。 というかどんなプログラムでも使うべきではない: 代わりに getpwuid(geteuid()) を用いるべきである (これが意図していることならば、だが)。 cuserid ()は「使わない」こと。

関連項目

geteuid (2),  getuid (2)