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getpriority - システムコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. エラー
  6. 注意
  7. 準拠
  8. 関連項目

名前

getpriority, setpriority - プログラムのスケジューリングの優先度を取得/設定する

書式

#include <sys/time.h>
#include <sys/resource.h>
int getpriority(int which , int who );
int setpriority(int which , int who , int prio );

説明

システムコール getpriority ()や setpriority ()は、 whichwho で指定されたプロセス、プロセス・グループ、ユーザーの スケジューリング優先度 (scheduling priority) の 取得や設定をそれぞれ行う。
which の値は PRIO_PROCESS , PRIO_PGRP , PRIO_USER ,のどれか一つで、 whowhich に応じて解釈される ( PRIO_PROCESS だとプロセス識別子、 PRIO_PGRP だとプロセス・グループ識別子、 PRIO_USER だと UID (ユーザID) と解釈される)。 who がゼロならば、(それぞれ)呼び出したプロセス、 呼び出したプロセスのプロセス・グループ、 呼び出したプロセスの実UID を意味する。 prio は -20 から 19 の範囲の値で (但し以下の注意の項を参照のこと)、 デフォルトの優先度は 0 である; 小さな数字ほど、有利なスケジューリングとなる。
getpriority ()コールは指定したプロセスの中の最も高い優先度 (数値的には最小の値) を返す。 setpriority ()コールは指定したプロセス全ての優先度を指定した値に設定する。 優先度を今より小さい値に設定できるのはスーパー・ユーザーだけである。

返り値

getpriority ()は成功した場合にも -1 の値を返す可能性があるので、 呼び出しの前に外部変数の errno をクリアし、呼び出しの後に返り値の -1 が正当な値か エラーかを判別する必要がある。 setpriority ()コールはエラーがなければ 0 を返し、エラーがあれば -1 を返す。

エラー

EINVAL
whichPRIO_PROCESS , PRIO_PGRP , PRIO_USER のいずれでもない。
ESRCH
whichwho で指定されたプロセスが存在しない。

上記のものに加えて setpriority ()では以下のエラーがある:

EPERM
プロセスは見つかったが、そのプロセスの実効 (effective) UID が 呼び出し元の実効UID にも実 (real) UID にも一致せず、 呼び出し元が特権も持っていなかった (Linux の場合、 CAP_SYS_NICE ケーパビリティがなかった)。 以下の「注意」も参照のこと。
EACCES
呼び出し元がプロセスの優先度を下げようとしたが、必要な特権を 持っていなかった (Linux の場合、 CAP_SYS_NICE ケーパビリティがなかった)。 Linux 2.6.12 以降では、呼び出し元が、あるプロセスの優先度を、 変更対象のプロセスのリソース RLIMIT_NICE のソフト・リミットの範囲外に設定しようとした場合にのみ、 このエラーが発生する。詳細は   getrlimit (2) を参照。

注意

  fork (2) で作成された子プロセスは、 親プロセスの nice 値を継承する。   execve (2) の前後で nice 値は保存される。
EPERM が発生する条件の詳細はシステムに依存する。 上記の説明は POSIX.1-2001 のものであり、全ての System V 風システムは これに従っているようである。 2.6.12 より前の Linux カーネルでは、呼び出し元の実 UID または 実効 UID がプロセス who の (実効 UID でなく) 実 UID に一致する必要がある。 Linux 2.6.12 以降では、呼び出し元の実行 UID がプロセス who の実 UID か実効 UID のいずれかと一致する必要がある。 全ての BSD 風システム (SunOS 4.1.3, Ultrix 4.2, 4.3BSD, FreeBSD 4.3, OpenBSD-2.5等) は、 2.6.12 以降の Linux と同じ動作をする。

実際の優先度の値の範囲はカーネルのバージョンによって異なる。 1.3.36 より前の Linux では、優先度の範囲は負の無限大 〜 15 である。 1.3.43 以降の Linux では、優先度の範囲は -20 〜 19 である。 カーネル内部では、nice 値は実際には 40 〜 1 の範囲を使って 表現されており (負の値はエラーコードとなるため)、こちらの値が システムコール setpriority ()と getpriority ()で使用されている。 glibc のこれらのシステムコールのラッパー関数において、nice 値の ユーザ領域 (user-land) とカーネル表現の間の変換が行われる。 変換式は以下の通り: "unice=20-knice"

いくつかのシステムでは、nice 値の範囲は 0 〜 20 である。

現在では <sys/time.h> をインクルードする必要はないが、インクルードすれば移植性を高めることができる (実際には <sys/resource.h>rusage 構造体が定義されているが、そのフィールドで使用されている struct timeval 型は <sys/time.h> で定義されている)。

準拠

SVr4, 4.4BSD (これらの関数は 4.2BSD で最初に登場した), POSIX.1-2001.

関連項目