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times - システムコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. 注意
  6. 準拠
  7. 歴史
  8. 関連項目

名前

times - プロセス時間を取得する

書式

#include <sys/times.h>
clock_t times(struct tms * buf );

説明

times ()は現在のプロセス時間を buf が指している "struct tms" に格納する。 struct tms<sys/times.h> で以下のように定義されている:

struct  tms  {

clock_t tms_utime; /* user time */ clock_t tms_stime; /* system time */ clock_t tms_cutime; /* user time of children */ clock_t tms_cstime; /* system time of children */
};

tms_utime フィールドは、呼び出したプロセスが命令を実行するのに消費した CPU 時間である。 tms_stime フィールドは、呼び出したプロセスのために実行されたタスクで、 システムが消費した CPU 時間である。 tms_cutime フィールドは、 終了を待っている全ての子プロセスの tms_utimetms_cutime の合計である。 tms_cstime フィールドは、 終了を待っている全ての子プロセスの tms_stimetms_cstime の合計である。

終了する子(及びその子孫)プロセスの時間は   wait (2) や waitpid (2)がプロセス ID を返した瞬間に加算される。 つまり、子がまだ終了を待っていない状態では 孫プロセスの時間は決して現れない。

全ての時間はクロック数で返される。

返り値

times ()は過去のある時点から経過したクロック数 (clock tick) を返す。 Linux 2.4 とそれ以前のバージョンでは、この「ある時点」とは システムが起動した瞬間である。 Linux 2.6 からは、この「ある時点」はシステム起動時刻の (2^32/HZ) - 300 (およそ 4億2900万) 秒前となる。 この返り値は clock_t 型が取り得る範囲からオーバーフローするかもしれない。 エラーの場合、(clock_t) -1 が返され、 errno が適切に設定される。

注意

一秒あたりのクロック数は
sysconf(_SC_CLK_TCK);
を使って得ることが出来る。 POSIX-1996 では、CLK_TCK シンボル ( <time.h> で定義されている) は古いものであると記述されている。 今ではこれは古いものである。

Linux 2.6.9 より前のバージョンでは、 SIGCHLDSIG_IGN に設定すると 終了した子プロセスの回数は 自動的に tms_cstimetms_cutime フィールドに含まれる。 しかし、POSIX.1-2001 では、この動作は呼び出し元が wait ()関数群で子プロセスを待った場合にのみ起きるべきだとしている。 標準とは異なるこの動作は Linux 2.6.9 以降で修正されている。
Linux では、 buf 引数に NULL を指定することができ、その場合は times ()は単に関数の結果を返す。 しかし、POSIX はこの振る舞いは規定されておらず、 その他のほとんどの Unix 実装は buf の値として非 NULL の値を要求する。

  clock (3) は clock_t 型の値を返し、これはクロック数ではなく CLOCKS_PER_SEC が単位である点に注意すること。

準拠

SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001.

歴史

SVr1-3 では long を返し、構造体のメンバに time_t 型を使っていたが、紀元からの秒数ではなくクロック数を格納していた。 V7 では構造体のメンバに long 型を使っていた。まだ time_t 型がなかったからである。

古いシステムでは一秒あたりのクロック数は HZ 変数で与えられる。

関連項目

time (1),  getrusage (2),   wait (2),   clock (3),   sysconf (3),  time (7)