kazmax - Linux で自宅サーバー

flockfile - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. エラー
  6. 可用性
  7. 準拠
  8. 関連項目

名前

flockfile, ftrylockfile, funlockfile - 標準入出力 FILE のロックを行う

書式

#include <stdio.h>

void flockfile(FILE *filehandle);
int ftrylockfile(FILE *filehandle);
void funlockfile(FILE *filehandle);

説明

標準入出力関数はスレッドセーフである。これは、各 FILE オブジェクトに対し ロック数(lockcount)と(ロック数が 0 でない場合は)所有者スレッド(owner thread) を管理することで実現される。 ライブラリの呼び出しが行われる毎に、標準入出力関数は FILE オブジェクトが 他のスレッドによってロックされていない状態になるまで待ち、FILE オブジェクト をロックし、要求されて入出力を行い、オブジェクトのロックを解除する。

(注: このロックは、   flock (2) や   lockf (3) といった関数が行うロックとは全く無関係である。)

これらのことはすべて C プログラマには見えない部分で行われるが、 より細かい制御ができた方がよい理由が2つあるだろう。一つは、一つのスレッドが 行う一連の入出力動作は一緒に行われ、他のスレッドの入出力によって中断されない 方がよいということであろう。もう一つは、効率を大きく上げるためには ロックのオーバヘッドを避ける必要があるということであろう。

この目的を実現するために、FILE オブジェクトのロック、一連の入出力動作の実行、 ロックの解除をスレッドが明示的に指示することができる。 これにより、他のスレッドが途中で入出力を行うのを防止する。 このようなことを行う理由が効率の向上であるならば、 ロックを行わないバージョンの標準入出力関数を使うこともできる。 例えば、getc () や putc () の代わりに getc_unlocked () や putc_unlocked () を使用する。

flockfile () 関数は、*filehandle が他のスレッドにロックされていな い状態になるまで待ったのち、現在のスレッドを *filehandle のオーナに設 定し、ロック数を加算する。

funlockfile () 関数は、ロック数を減算する。

ftrylockfile () 関数は flockfile () のブロッキングを行わない バージョンである。他のスレッドが *filehandle をロックしている時は 何も行わず、そうでない場合は *filehandle の所有権を獲得し、 ロック数を加算する。

返り値

ftrylockfile () 関数はロックに成功すると 0 を返し、 失敗した場合は 0 以外の値を返す。

エラー

なし。

可用性

_POSIX_THREAD_SAFE_FUNCTIONS が定義されているときに これらの関数を使用することができる。 5.1.1 以降の libc と 2.0 以降の glibc に存在する。

準拠

POSIX.1-2001.

関連項目