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getpwent_r - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. エラー
  6. 準拠
  7. 注意
  8. 関連項目

名前

getpwent_r, fgetpwent_r - パスワードファイルのエントリをリエントラント (reentrant) に取り出す

書式

"#define _GNU_SOURCE"

#include <pwd.h>
int getpwent_r(struct passwd *pwbuf, char *buf,
size_t buflen, struct passwd **pwbufp);
int fgetpwent_r(FILE *fp, struct passwd *pwbuf, char *buf,
size_t buflen, struct passwd **pwbufp);

説明

関数 getpwent_r()と fgetpwent_r()は  getpwent(3) と  fgetpwent(3) のリエントラント版である。 前者は、 setpwent(3)によって初期化されたストリームから、次のパスワードエントリを読み込む。 後者は、引き数 fpとして与えられたストリームから、次のパスワードエントリを読み込む。

passwd 構造体は <pwd.h>において以下のように定義されている:

struct passwd {
      char    *pw_name;      /* ユーザ名 */
      char    *pw_passwd;    /* ユーザのパスワード */
      uid_t   pw_uid;        /* ユーザ ID */
      gid_t   pw_gid;        /* グループ ID */
      char    *pw_gecos;     /* 実際の名前 */
      char    *pw_dir;       /* ホームディレクトリ */
      char    *pw_shell;     /* シェルプログラム */
};


リエントラントでない関数は静的な格納領域へのポインタを返す。 この静的な格納領域には、更にユーザ名・パスワード・gecos フィールド・ ホームディレクトリ・シェルへのポインタが含まれる。 ここで説明されているリエントラントな関数は、 呼び出し側から提供されるバッファにユーザ名など全てを返す。 最初の引き数として struct passwd を保持できるバッファ pwbuf がある。 次にその他の文字列を保持できるサイズ buflen のバッファ buf がある。 これらの関数の結果 (ストリームから読み込まれた struct passwd) は、 提供されたバッファ * pwbuf に格納され、この struct passwd へのポインタは * pwbufp に返される。

返り値

成功した場合、これらの関数は 0 を返し、 * pwbufp は struct passwd へのポインタとなる。 エラーの場合、これらの関数はエラー値を返し、 * pwbufp は NULL になる。

エラー

ENOENT
次のエントリがない。
ERANGE
十分なバッファ空間が与えられていない。 もっと大きなバッファで再度実行すること。

#define _GNU_SOURCE
#include <pwd.h>
#include <stdio.h>
#define BUFLEN 4096


int main() { struct passwd pw, *pwp; char buf[BUFLEN]; int i;
setpwent(); while (1) { i = getpwent_r(&pw, buf, BUFLEN, &pwp); if (i) break; printf("%s (%d)\tHOME %s\tSHELL %s\n", pwp->pw_name, pwp->pw_uid, pwp->pw_dir, pwp->pw_shell); } endpwent(); return 0; }

準拠

これらの関数は GNU 拡張であり、POSIX 版の関数 getpwnam_r (3)の形式に似せてある。 他のシステムではプロトタイプ


struct passwd * getpwent_r(struct passwd *pwd, char *buf, int buflen);

が使われている。 より良いものでは、

int getpwent_r(struct passwd *pwd, char *buf, int buflen, FILE **pw_fp);

が使われている。

注意

関数 getpwent_r ()は本当のリエントラントではない。 なぜなら、ストリームの読み込み位置を 他の全てのスレッドと共有しているためである。

関連項目