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install - コマンド (プログラム) の説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. オプション
  5. GNU バックアップオプション
  6. GNU 標準オプション
  7. 環境変数
  8. 準拠
  9. 注意

名前

install - ファイルをコピーし、その属性を設定する

書式

install [ options ] [-s] [--strip] source dest
install [ options ] [-s] [--strip] source... directory
install [ options ] [-d,--directory] directory...
オプション (簡略形式):
[-bcpvD] [-g group ] [-m mode ] [-o owner ] [-S suffix ] [-V {numbered,existing,simple}] [--preserve-timestamps] [--target-directory= dir ] [--help] [--version] [--]

説明

install はファイルをコピーし、そのアクセス権を設定する。 可能ならば所有者とグループを設定する。

1 番目の呼び出し形式では、ファイル source が目的のファイル dest にコピーされる。 2 番目の形式では、複数のファイル source のそれぞれが指定ディレクトリ directory にコピーされる。 最後の形式では、個々のディレクトリ directory が (親ディレクトリがない場合はそれも含めて) 作成される。

installcp と似ているが、コピー先ファイルの属性を制御できる。 プログラムを指定ディレクトリにコピーするために、 Makefile 内でよく用いられる。 ファイルをそれ自身へコピーすることはできない。

オプション

"-c"
無視される。古い Uxix 版の install との互換性のためにある。
"-d, --directory"
指定されたディレクトリを作成する。 親ディレクトリが存在しない場合は、それも作成する。 所有者・グループ・モードを、コマンドラインで指定された設定、 またはデフォルトの設定にする。 このとき作成した親ディレクトリにも同じ属性を与える。
-g group , --group= group
インストールされたファイルやディレクトリの所有グループを group に設定する。 デフォルトではプロセスが属する現在のグループになる。 group はグループ名でも数字のグループ ID でもよい。
-m mode , --mode= mode
インストールされたファイルやディレクトリのアクセス権を mode に設定する。 モードは 0 を基点とし、8 進数、 chmod におけるシンボルモードのどちらでもよい。 デフォルトのモードは 0755 で、所有者の読み取り・書き込み・実行、 グループとその他の人の読み取り・実行が可能である。
-o owner , --owner= owner
install が適正な権利を持っている (root で実行された) 場合、 インストールされたファイルやディレクトリの所有者を owner に設定する。 デフォルトは `root' である。 owner はユーザー名でも数字のユーザー ID でもよい。
-p, --preserve-timestamps
インストールされたファイルの最終アクセス時刻と最終修正時刻を それぞれコピー元ファイルと合わせる。
このオプションなしでファイルがインストールされると、 最終アクセス時刻と最終修正時刻は共にインストール時刻に合わせられる。 このオプションは、インストールされたファイルの最終修正時刻を、 「いつインストールされたか」ではなく「いつ作られたか」を 記憶させるために使いたい場合に便利である。
"-s, --strip"
インストールされたバイナリ実行ファイルからシンボルテーブルを strip する。
--target-directory= dir
コマンドラインの最後の引き数ではなく、 オプションでインストール先ディレクトリを指定する。 xargs(1) と一緒に使う場合に役立つ。
-D
dest にコピーするために必要な全ディレクトリ構造を (それがない場合は) 前もって作成する。 それから sourcedest にコピーする。 1 番目の形式の場合に便利である。
-v, --verbose
インストールする前にそれぞれのファイル名を出力する。

GNU バックアップオプション

GNU 版のプログラム cp , mv , ln , install , patch は、上書き・修正・削除といった場合に、指示すればファイルの バックアップを作成する。 バックアップファイルを必要とする場合は -b オプションで指定する。 どのような名前にするかは --backup オプションで指定する。 バックアップファイルの名前を、ファイル名に拡張子を追加する形で 与えるようにしたい場合、 この拡張子を -S オプションで指示する。

-b, --backup[= method ]
上書きもしくは削除の必要がある場合には、 ファイルのバックアップを作成する。 -b が引き数をとらない点に注意すること。
-S suffix , --suffix= suffix
SUFFIX をバックアップファイルそれぞれに付け加える。 このオプションが指定されていない場合、環境変数 SIMPLE_BACKUP_SUFFIX に設定されている値が使われる。 SIMPLE_BACKUP_SUFFIX が設定されていない場合のデフォルトは `~' である。
-V method , --version-control= method

バックアップファイルの命名方法を指定する。 引き数 method には、`numbered' (または `t')、`existing' (または `nil')、 `never' (または `simple') を指定できる。 このオプションが指定されていない場合、環境変数 VERSION_CONTROL の値が使われる。 VERSION_CONTROL が設定されていない場合のデフォルトは `existing' である。

このオプションは Emacs 変数の `version-control' に対応している。 有効な method は以下の通り。(他と重複しない短縮形が使える):

t , numbered
常に番号の拡張子を持つバックアップが作られる。
nil , existing
番号の拡張子を持つバックアップがすでにある場合には 番号の拡張子を持つバックアップを、 そうでない場合には単純なバックアップを作成する。
never , simple
常に単純なバックアップが作られる。

このオプションは推奨されない。 代りに --backup=method を使うこと。

GNU 標準オプション

"--help"
標準出力に使用方法のメッセージを出力して正常終了する。
"--version"
標準出力にバージョン情報を出力して正常終了する。
"--"
オプションリストの終りを示す。

環境変数

変数 LANG, LC_ALL, LC_CTYPE, LC_MESSAGES が通常の意味を持つ。 GNU 版では、変数 SIMPLE_BACKUP_SUFFIX と VERSION_CONTROL が バックアップファイルの命名法を上で説明した方法で管理する。

準拠

BSD 4.2 (-c, -m, -o, -g, -s オプションがある)。

注意

このページは fileutils-4.1 パッケージの install コマンドについて説明したものである; その他のバージョンでは少し違いがあるかもしれない。 修正や追加は aeb@cwi.nl, aw@mail1.bet1.puv.fi, ragnar@ragnar-hojland.com 宛にメールで連絡してください。 プログラムのバグについては bug-fileutils@gnu.org へ報告してください。