ptx - コマンド (プログラム) の説明 - Linux コマンド集 一覧表
名前
ptx - 整列済み索引を作成する
書式
ptx
[
OPTION...
] [
FILE...
]
ptx
[
-G
][
--traditional
][
OPTION...
] [
IN-FILE
[
OUT-FILE
]]
Options:
[
-frAORT
][
-b FILE
]
[
-g NUMBER
]
[
-i FILE
]
[
-o FILE
]
[
-w NUMBER
]
[
-F STRING
]
[
-M STRING
]
[
-S REGEXP
]
[
-W REGEXP
]
[
--auto-reference
][
--break-file=FILE
]
[
--flac-truncation=STRING
]
[
--format={nroff,tex
}]
[
--gap-size=NUMBER
]
[
--ignore-case
][
--ignore-file=FILE
]
[
--macro-name=STRING
]
[
--only-file=FILE
]
[
--references
][
--right-side-refs
][
--sentence-regexp=REGEXP
]
[
--word-regexp=REGEXP
]
[
FILE...
]
ptx
[
-C
] [
--copyright
] [
--help
] [
--version
]
説明
GNU 拡張された
ptx
(デフォルト) は、与えられた
FILE
それぞれの整列済み索引 (permutated index)
を標準出力に書く。
FILE
が一つも与えられないと標準入力から読み込む。また
FILE
が
`
-
'だった場合には、そのファイルには標準入力が用いられる。
結果は結合されるが、各
FILE
はそれぞれ独自のコンテクストを持ち、
自動参照を使うときには別々に参照される。
[訳注: 参照 (reference) とは、キーワードの現れるファイル名と行数の表示。]
--traditional
モードを使うと、
ptx
は入力を
IN-FILE
から読み、
OUT-FILE
に書く。後者が省略されると標準出力に書く。
デフォルトの出力フォーマットは、
キーワードをセンターに、そしてコンテクストがあれば左または右に書く。
--traditional
モードでは
--format-nroff
が用いられる。
オプション
- -b FILE , --break-file= FILE
- 単語に含むことのできない文字を FILE から取得する (このファイルは break file と呼ばれる)。 デフォルトのモードでは、 FILE にある全ての文字が (改行文字も含めて) 考慮される。 過去互換モードでは、空白・タブ・改行の各文字は、常に FILE からは捨てられる。
- -f, --ignore-case
- 文字列をソートするとき英大文字小文字を無視する。
- -g NUMBER , --gap-size= NUMBER
- フィールド間の空白の最低数を NUMBER に設定する (デフォルトは 3)。
- -i FILE , --ignore-file= FILE
- 無視するキーワードのリストを FILE から取得する (このファイルは ignore file と呼ばれる。デフォルトは /usr/local/lib/eign)。 各行には単語を一つだけ指定する。 ignore file にある単語は only file にある単語を上書きする。
- -o FILE , --only-file= FILE
- キーワードのリストを FILE から取得する (このファイルは only file と呼ばれる)。インデックスを生成するとき、 このリストにない単語は無視する。各行には単語を一つだけ指定する。
- -r, --references
- 各行の前にコンテクストを指示する文字列 (行頭の単語) を付ける。 ptx は参照をコンテクストから削除しようとし、 コンテクストが改行で終わる場合にはこれは常に成功する。 このオプションを -S と共に用いたり (これはデフォルト)、 --traditional モードを用いると、参照は常にコンテクストから削除される。
- -w NUMBER , --width= NUMBER
- 出力行を NUMBER 桁を越えないように切り捨てる。 --right-side-refs の分は含まれないので注意。これを用いた場合は指定桁を越えることがある。
- -A, --auto-reference
- 各行の前にファイル名 (標準入力から読み込んだ場合は空文字列)、 行番号、コロンを出力する。 --references より優先する。
- -F STRING , --flac-truncation= STRING
-
--width
によって行を切り捨てるときや、コンテクストが行区切りを越えて続く場合に
STRING
(デフォルトは `\
') を出力する。
STRING 中では、(C プログラムで使うような) バックスラッシュを用いたエスケープシーケンスの多くも認識され、 適切な文字に変換される。 - -M STRING , --macro-name= STRING
- nroff や TeX 形式で出力するときに、 STRING をマクロ名に使う (デフォルトは ` .xx ')。
- -O, --format=nroff
-
出力を nroff 形式にする。
印字できない文字はスペースに置換され、クォート文字は二重にして
正しく処理できるようにする。各行のフォーマットは以下の通り:
.xx "TAIL" "BEFORE" "KEYWORD_AND_AFTER" "HEAD" "REF"
- -R, --right-side-refs
- --references と似ているが、参照を右に出力する。
- -S REGEXP , --sentence-regexp= REGEXP
-
REGEXP
を行末または文末の評価に用いる。
GNU モードで
--references
オプションが指定されていない場合のデフォルトは以下:
[.?!][]\"')}]*\\($\\|\t\\| \\)[ \t\n]*
--traditional モードや、 GNU モードで --references オプションが指定されている場合のデフォルトは以下:
\n
-F と同様、バックスラッシュを用いたシーケンスも認識・変換される。
- -T, --format=tex
-
出力を TeX 形式にする。
印字できない文字はスペースに置換し、
いくつかの特殊文字 (`$', `%', `&', `#', `_' など)
をバックスラッシュでプロテクトする。
バックスラッシュは `\backslash{}' に、
アクセント記号は `^\{ }' に、
チルダは `~\{ }' に置換し、
その他の音韻記号も可能な限り最も適切な TeX シーケンスに変換する。
各行のフォーマットは以下の通り:
\xx {TAIL}{BEFORE}{KEYWORD}{AFTER}{HEAD}{REF}
- -W REGEXP , --word-regexp= REGEXP
-
REGEXP
にマッチする単語をキーワードにする。
--break-file
に指定されている単語も出力する。 GNU モードでのデフォルトは:
\w+
--traditional モードでのデフォルトは
[^ \t\n]+
REGEXP が空の場合はデフォルトを用いる。 -F と同じく、バックスラッシュを用いたシーケンスも認識・変換される。
- "-C, --copyright"
- 標準出力に短い copyright メッセージを出力して正常終了する。
- "--help"
- 標準出力に使用方法のメッセージを出力して正常終了する。
- "--version"
- 標準出力にバージョン情報を出力して正常終了する。
例
分量が多くなるので、完全な例はここには示していない。
プレインテキスト
ptx
の著者である Francois Pinard は、私の出したメールを
ptx
に通し、以下の返事を送ってくれた
(*** は man ページに収めるために手で行った切り捨てを示す)。
>> /I've had a look at the source, and I still *** >> /or what is a permutated index, and what it ***
> ptx merely produces a sorted list of the vocabulary you > used, with some context for each, so I can study your > writing style, for example. Whenever you use the word > "and", it is preceded by a comma :-).
[ptx は君の使ったボキャブラリをソートしてリストを作り、 前後のコンテクストと共に示してくれるんだ。これを見ると、 例えば君の書き方のクセがわかるわけさ。君が "and" って いう単語を使う前には必ずコンマを入れる、とかね :-)]
bang パス
news へのポストや email メッセージに対して grep を行い、
bang パスを取得してみよう。例えば:
lightside~% grep posts "^Path: " |cut -b 7- > paths.txt
すると paths.txt の内容は以下のようになるだろう。
lightside!host2!host3!host4!host5!news lightside!host2!host3!host4!host6!news lightside!host7!host8!host9|host10|host4|host5!news lightside!host4!host5!news lightside!host11!news
これに正規表現を正しくエスケープして ptx を用いてみよう。
lightside~% ptx --sentence-regexp="\n" \ --word-regexp="[^\!]+."
するとポストの経路の解析に適した出力が生成されるだろう。 行数が、ここに示した 5 行よりもずっと多くなると、とても便利になるだろう。
移植性
--traditional
を指定すると、
System V の
ptx
と互換になる。 GNU
ptx
は行幅をよりうまく使えるのだが、この点も
System V の出力に時々現れる異常をまねしようと試みる。
--traditioanl
モードとの他の相違点は以下の通り:
»
説明
にあるように、引数の取り方が変わる。
»
指定できるオプションが
-b
,
-f
,
-g
,
-i
,
-o
, -r
,
-t
,
-wだけになる。
»
デフォルトの出力形式が
--format=nroff
になる。
»
--width
で行切り捨てを行うとき、参照の幅を考慮しなくなる。
»
8 ビット文字とチルダ (`~
') をはねる。
いくつかの制御文字もはねる。
»
入力行の 200 文字以降を黙って切り捨てる。
»
ignore file
と only file
の両方を同時に指定できない。
»
オプション
に記述したように、
いくつかのオプションのデフォルトが変わる。
注意
プログラムのバグについては bug-textutils@gnu.org に報告してください。
man ページは Ragnar Hojland Espinosa <ragnar@ragnar-hojland.com> が作成しました。