rcsclean - コマンド (プログラム) の説明 - Linux コマンド集 一覧表
名称
rcsclean - ワークファイルの後片付け
書式
rcsclean [ options ] [ file ... ]
解説
rcsclean は、RCS ファイルからチェックアウトされた後に変更を受けていない ワークファイルを削除します。 "rcsclean -u" は、対象となるワークファイルのロックを解除し、削除します。
各 file について rcsclean は、ワークファイルとそれに対応する r ファイルに格納されている リビジョンとを比較します。 違いが見つかった場合には何もしません。 違いが無い場合、 -u オプションが指定されていたら、まずそのリビジョンのロックを 解除します。 そして、 ワークファイルが書き込み可能でなくそのリビジョンがロックされて いないなら、ワークファイルを消去します。 rcsclean は、実行した処理の内容を "rcs -u" や "rm -f" コマンドを使って表現し、標準出力に表示します。
file を指定しなかった場合、カレントディレクトリにあるすべての ワークファイルを処理対象にします。 r の拡張子を持つパス名は、r ファイルを表しています。 その他のファイルはワークファイルを意味します。 ファイル名については、 ci (1) で詳しく説明されています。
ワークファイルと比較するリビジョン番号は、 -n , -q , -r , -u オプションのいずれかで指定することができます。 リビジョン番号を指定せず、 -u オプションが指定されていて、呼び出したユーザがロックしたリビジョンが 一つだけ存在すれば、 rcsclean はそのリビジョンを使用します。 それ以外の場合には、 rcsclean はデフォルト枝 (普通は幹) の最新リビジョンを使用します。
rcsclean を Makefile の中の clean ターゲットで用いると便利です。 rcsdiff (1) (差分の表示) や、 ci (1) (ワークファイルに変更が無い時、チェックインするかどうか確認する) のマニュアルも参照して下さい。
オプション
- -k subst
- 比較のためにリビジョンを取り出すときに、 subst で指定した方式でキーワード置換を行います。詳しくは co (1) を参照して下さい。
- -n [2rev]
- ファイルの消去やリビジョンのロック解除を行ないません。 このオプションによって、 rcsclean が何を実行しようとするかを、実際の動作を行なわずに知ることができます。
- -q [2rev]
- 処理の内容を標準出力に表示しません。
- -r [2rev]
- 比較対象のリビジョンの指定のみを行い、他には何の効果も与えません。
- -T
- r ファイルがロックの解除により変更された場合でも、 r ファイルの変更時刻を保存します。 このオプションを使うことにより、r ファイルの中のワークファイルの コピーによって生ずる make (1) の依存関係に伴う必要以上の再コンパイルを防ぐことができます。 このオプションを使用する際には注意が必要です。本当に再コンパイルが必要な 場合にも再コンパイルされない場合が生じます。つまり、ロックの解除により 他のワークファイル中のキーワードの変更を意味する場合があるからです。
- -u [2rev]
- 違いが見つからなかったファイルがロックされているなら、 ロックを解除します。
- -V
- r システムのバージョン番号を表示します。
- -V n
- r システムのバージョン n のエミュレーションを行います。 詳細は co (1) を参照してください。
- -x suffixes
- suffixes を r ファイル拡張子として指定します。 詳細は ci (1) を参照してください。
- -z zone
- キーワードの置換の際、タイムゾーンとして zone を使用します。 詳細は co (1) を参照して下さい。
使用例
.ft 3
rcsclean *.c *.h
.ft
チェックアウトされてから変更されていない .c や .h で終る名前のワークファイルをすべて削除します。
.ft 3
rcsclean
.ft
チェックアウトされてから変更されていない、 カレントディレクトリにあるすべてのワークファイルを削除します。
関連ファイル
rcsclean は、 ci (1) と同じファイルにアクセスします。
環境変数
- -1RCSINIT0
- 引数リストに前置されるオプションを空白で区切って指定します。 オプションの中に含まれる空白は、バックスラッシュでエスケープします。 -1RCSINIT0 オプションは、大部分の r コマンドの引数リストに前置されます。 -q , -V , -x , -z などを指定するのに有用です。
診断
すべての動作が成功した時にのみ、終了ステータス 0 を返します。 ワークファイルや r ファイルがなくても無視します。
作者
Author: Walter F. Tichy.
Manual Page Revision: (Rv; Release Date: (Dt.
Copyright © 1982, 1988, 1989 by Walter F. Tichy.
Copyright © 1990, 1991, 1992, 1993 Paul Eggert.
関連項目
ci(1), co(1), ident(1), rcs(1), rcsdiff(1), rcsintro(1), rcsmerge(1), rlog(1),
rcsfile(5)
Walter F. Tichy,
r-A System for Version Control,
"Software-Practice & Experience"
15
,7 (July 1985), 637-654.
バグ
ディレクトリ参照操作を持たない古いバージョンの UNIX では、
少なくとも一つの
file
を指定しなければなりません。