rcsfile - ファイルのフォーマットと規約の説明 - Linux コマンド集 一覧表
名称
rcsfile - RCS ファイルの書式
解説
r ファイルの内容は以下の文法に基づき記述されます。
テキストはフリーフォーマットであり、 文字列中のスペース、バックスペース、 タブ、改行、垂直タブ、改頁、復帰 (まとめて 空白 と呼びます) は意味を持ちません。 例外として、id, num, sym 内では空白があってはならず、 r ファイルは改行で終わらなければなりません。
文字列は @ で括られます。文字列が @ 自身を含む場合、2 重化されなければならず、それ以外は任意の バイナリデータを含むことができます。
以下、簡便のためにメタ文法を用います。 `|' (縦棒) は選言を分けます。 `{' と `}' は省略可能な句を括ります。 `{' と `}*' は 0 回以上繰り返される句を括ります。 `{' と `}+' は 1 回以上繰り返される句を括ります。 終端記号は 太字 で、非終端記号は 斜体 で表記します。
2rcstext ::= 2admin {2delta}* 2desc {2deltatext}* 2admin ::= 3head {2num}3; { 3branch {2num}3; } 3access {2id}*3; 3symbols {2sym 3: 2num}*3; 3locks {2id 3: 2num}*3; {3strict ;} { 3comment {2string}3; } { 3expand {2string}3; } { 2newphrase }* 2delta ::= 2num 3date 2num3; 3author 2id3; 3state {2id}3; 3branches {2num}*3; 3next {2num}3; { 2newphrase }* 2desc ::= 3desc 2string 2deltatext ::= 2num 3log 2string { 2newphrase }* 3text 2string 2num ::= {2digit | 3.}+ 2digit ::= 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 2id ::= {2num} 2idchar {2idchar | 2num}* 2sym ::= {2digit}* 2idchar {2idchar | 2digit}* 2idchar ::= 2special を除く任意の可視文字 (visible graphic character) 2special ::= 3$ | 3, | 3. | 3: | 3; | 3@ 2string ::= 3@{任意の文字、ただし 3@ は 2 重化される}*3@ 2newphrase ::= 2id 2word* 3; 2word ::= 2id | 2num | 2string | 3:
識別子は大文字小文字を区別します。 キーワードは小文字のみです。 キーワードと識別子の集合は重複可能です。 ほとんどの環境では、r は -1ISO0 8859/1 エンコーディングを用います。 このコードでは、可視文字のコードが 041-176 と 240-377 で、 空白文字のコードが 010-015 と 040 です。
date キーワードの後に現れる日時は 2Y3.2mm3.2dd3.2hh3.2mm3.2ss という書式で、それぞれ Y が年を、 mm が月 (01-12) を、 dd が日 (01-31) を、 hh が時 (00-23) を、 mm が分 (00-59) を、 ss が秒 (00-60) を表します。 Y は 1900 年から 1999 年までは年の最後の 2 桁で表し、それ以降は 年のすべての桁で表します。 日付はグレゴリオ暦を用い、時刻は UTC (協定世界時) で表します。
文法中の newphrase は r ファイル書式の今後の拡張のために予約されています。 すでに使われているキーワードでは newphrase は始まりません。
複数の delta ノードが集まって、木を形成します。 単一の組からなる番号のノード (例えば 2.3, 2.1, 1.3 など) は すべて幹 (trunk) であり、降順で next フィールドを通してリンクされています。 admin ノードの head フィールドは、このシーケンスの先頭 (head; すなわち最高位の組) を示します。 admin ノードの branch ノードは、 ほとんどの r 操作が利用するデフォルトの枝 (もしくはリビジョン) を示します。 もしこれが存在しなければ、幹の最高位の枝が用いられます。
2 n 個 ( n \(>=2)のフィールドからなる番号を持つ全 delta ノード (例えば 3.1.1.1, 2.1.2.2 など) は、次のようにリンクされます。 すなわち、先頭の 2 n -1個のフィールドの番号が等しい全ノードは、昇順で next フィールドを通してリンクされます。 シーケンス中の delta ノードの番号の先頭 2 n -2個分と等しい番号を持つ delta ノードは、そのシーケンスの分岐点と呼ばれます。 ノードの branches フィールドは、 そのノードが分岐点となっている全シーケンスに対し、 最初のノード番号のリストを保持しています。 このリストは昇順で並べられています。
以下の図は r ファイルの構成の例を示しています。
Head | | v / \ --------- / \ / \ / \ | | / \ / \ / \ / \ | 2.1 | / \ / \ / \ / \ | | / \ / \ /1.2.1.3\ /1.3.1.1\ | | /1.2.2.2\ /1.2.2.1.1.1\ --------- --------- --------- --------- ------------- ^ ^ | ^ ^ | | | | | | | v | | / \ | --------- / \ | / \ | \ 1.3 / / \ | / \ ---------\ / / \----------- /1.2.1.1\ \ / /1.2.2.1\ --------- \ / --------- ^ | ^ | | | | v | | --------- | | \ 1.2 / | ----------------------\ /--------- \ / \ / | | v --------- \ 1.1 / \ / \ / \ /
作者
\$2
Author: Walter F. Tichy,
Purdue University, West Lafayette, IN, 47907.
Manual Page Revision: (Rv; Release Date: (Dt.
Copyright © 1982, 1988, 1989 Walter F. Tichy.
Copyright © 1990, 1991, 1992, 1993, 1994, 1995 Paul Eggert.
関連項目
rcsintro(1), ci(1), co(1), ident(1), rcs(1), rcsclean(1), rcsdiff(1),
rcsmerge(1), rlog(1)
Walter F. Tichy,
r-A System for Version Control,
"Software-Practice & Experience"15,7 (July 1985), 637-654.