rpmatch - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表
名前
rpmatch - 質問への応答が肯定か否定かを判定する
書式
#define _SVID_SOURCE #include <stdlib.h>
int rpmatch (const char *response);
説明
rpmatch
()
は yes/no の質問に対するユーザからの応答を処理する。
国際化 (I18N) に対応している。
response
にはユーザからの応答を格納した NULL 終端文字列が入っている必要がある。
たいていは、
fgets
(3) や
getline
(3) で取り込んだものであろう。
プログラムが
setlocale
()を呼び出して環境変数の変更を有効にした場合、
環境変数 LANG
, LC_MESSAGES
, LC_ALL
が
ユーザの言語設定として考慮される。
ロケールに関わらず、^[Yy]
にマッチする応答は常に肯定だと解釈され、
^[Nn]
にマッチする応答は常に否定だと解釈される。
返り値
response を検査した後、 rpmatch ()は否定的な応答 ("no") と認識した場合は 0 を返し、 肯定的な応答 ("yes") と認識した場合は 1 を返す。 response の値を解釈できなかった場合は -1 を返す。
エラー
返り値 -1 が返った場合、入力が不正であったか、他の何らかのエラーが
あったことを意味する。返り値が 0 以外かどうかを確認するだけでは
十分ではない。
rpmatch
()は、
regcomp
(3)や
regexec
(3)が失敗する理由のどれかで失敗することがある。
エラーの原因を
errno
や他の何かで知ることはできないが、
errno
は正規表現エンジンの失敗の原因を示している
(但し、このケースと
response
の値を認識できずに失敗した場合を区別することはできない)。
準拠
rpmatch ()はどの標準でも必須となっていないが、 Linux 以外にも利用できるシステムもいくつかは存在する。
バグ
rpmatch ()の実装は response の最初の 1 文字だけを見ているようである。その結果、 "nyes" は 0 を返し、 "ynever; not in a million years" は 1 を返すことになる。 入力文字列をもっと厳密に解釈した方がよいだろう。 例えば、 ( regex (7)で説明されている拡張正規表現を使って) ^([yY]|yes|YES)$ や ^([nN]|no|NO)$ で解釈するなど。
例
以下のプログラムは、コマンドライン引き数で 指定された文字列を rpmatch ()に渡した場合の結果を表示する。
#define _SVID_SOURCE #include <locale.h> #include <stdlib.h> #include <string.h> #include <stdio.h>
int main(int argc, char *argv[]) { if (argc != 2 || strcmp(argv[1], "--help") == 0) { fprintf(stderr, "%s response\n", argv[0]); exit(EXIT_FAILURE); }
setlocale(LC_ALL, ""); printf("rpmatch() returns: %d\n", rpmatch(argv[1])); exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目
regcomp
(3),
fgets
(3),
getline
(3),
nl_langinfo
(3),
setlocale
(3)