wcrtomb - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表
名前
wcrtomb - ワイド文字 1 つをマルチバイト列に変換する
書式
#include <wchar.h>
size_t wcrtomb(char *s, wchar_t wc, mbstate_t *ps);
説明
この関数が主に使われるのは、s が NULL でなく、wc が L'\0' でない場合である。 この場合には、wcrtomb () 関数はワイド文字 wc をマルチバイト表 現に変換し、s が指す char 型の配列にこれを格納する。この関数は シフト状態 *ps を更新し、出力されたマルチバイト表現の長さ、すな わち s に書き込まれたバイト数を返す。
別のケースとしては、s は NULL でないが wc が L'\0' のことが ある。この場合の wcrtomb () 関数は、*ps を初期状態に戻すのに必 要なシフトシーケンスを s が指す char 型配列に格納し、その後に '\0' を格納する。この関数はシフト状態 *ps を更新し(つまり初期状態に戻 し)、シフトシーケンスの長さに 1 を加えた値を返す。この値は s に 書き込まれたバイト数である。
三番目のケースは、s
が NULL の時である。この場合には wc
は
無視され、関数の実際の効果としては wcrtomb(buf,L'\0',ps
) と同じ
値が返される。ここで、buf は内部的な匿名のバッファである。
以上のいずれの場合も、ps が NULL ポインタならばシフト状態は用い られず、wcrtomb () 関数だけが知っている静的な匿名の状態が使われる。
返り値
wcrtomb () 関数は、s が指すバイト列に書き込まれたバイト数、あ るいは書き込まれたであろうバイト数を返す。wc を(現在のロケールに 従って)マルチバイト列で表現できなければ、(size_t)(-1) が返され、 errno に EILSEQ が設定される。
準拠
C99.
関連項目
注意
wcrtomb () の動作は、現在のロケールの LC_CTYPE カテゴリに依存する。
ps
に NULL を渡した際の動作はマルチスレッドセーフでない。