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wordexp - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 詳細
  5. 返り値
  6. 準拠
  7. 関連項目

名前

wordexp, wordfree - posix シェルのように単語の展開を行う

書式


"#include <wordexp.h>"
int wordexp(const char * s , wordexp_t * p , int flags );
void wordfree(wordexp_t * p );

説明

関数 wordexp ()はシェルのように文字列 s を展開し、 p で指し示す構造体に結果を返す。 データ型 wordexp_t は少なくともフィールド we_wordc , we_wordv , we_offs を持つ構造体である。 フィールド we_wordcsize_t であり、 s を展開した結果に単語がいくつあるかを表す。 フィールド we_wordvchar ** であり、見つかった単語の配列を指し示す。 size_t 型のフィールド we_offs は、 we_wordv 配列にある初期要素のうちいくつが NULL で埋められるべきかを表すのに使われたりする ( flags により決定される。下記を参照。)。

関数 wordfree ()は割り当てたメモリを再度解放する。 より正確にいうと、この関数はその引き数を解放するのではなく、 配列 we_wordv とそれが指し示す文字列を解放する。

最初に簡単な例を示す。 出力はだいたい "ls [a-c]*.c" と同じになる。

#include <stdio.h>
#include <wordexp.h>


int main(int argc, char **argv) { wordexp_t p; char **w; int i;
wordexp("[a-c]*.c", &p, 0); w = p.we_wordv; for (i=0; i<p.we_wordc; i++) printf("%s\n", w[i]); wordfree(&p); return 0; }

詳細

文字列引き数

この展開はシェルによるコマンドのパラメータの展開 ( sh (1)を参照) と同じであるので、文字列 s はシェルコマンドパラメータで不正とされる文字を含んではならない。 特にエスケープしていない改行、|, &, ;, <, >, (, ), {, } 文字を コマンド置換やパラメータ置換の場面以外に含めてはならない。

引き数 s にクォートしていないコメント文字 # で始まる単語が含まれている場合には、 その単語とそれ以降の単語が無視されるか、 それとも # がコメント文字として扱わないかは、規定されていない。

展開

実行される展開は、以下の段階で構成される: チルダ展開 (~user を user のホームディレクトリに置き換える)、 変数展開 ($FOO を環境変数 FOO の値に置き換える)、 コマンド展開 ($(command) または `command` を command の出力で置き換える)、 算術展開、フィールド分割、ワイルドカード展開、クォートの除去。

特殊なパラメータ ($@, $*, $#, $?, $-, $$, $!, $0) の 展開結果は規定されていない。

フィールド分割は環境変数 $IFS を用いて行われる。 この環境変数が設定されていない場合、 フィールド区切り文字はスペース・タブ・改行である。

出力される配列

配列 we_wordv は見つかった単語をを含み、最後に NULL が続く。

flags 引き数

flags 引き数は以下の値のビット包含的 OR である:

WRDE_APPEND
見つかった単語を前回の呼び出し結果の配列に追加する。
WRDE_DOOFFS
初期状態である we_offs 個の NULL を配列 we_wordv に挿入する (これらは返される we_wordc にはカウントされない)。
WRDE_NOCMD
コマンド置換を行わない。
WRDE_REUSE
引き数 p は前回の wordexp ()の呼び出し結果であり、 wordfree ()が (まだ) 呼び出されない。 割り当てられた領域を再利用する。
WRDE_SHOWERR
通常はコマンド置換のときに stderr/dev/null にリダイレクトされる。 このフラグは stderr をリダイレクトしないように指定する。
WRDE_UNDEF
未定義のシェル変数を展開しようとした場合に、エラーとして扱う。

返り値

成功した場合は 0 が返される。 エラーの場合は以下の 5 つの値のうちの 1 つが返される。

WRDE_BADCHAR
改行または |, &, ;, <, >, (, ), {, } のうちの 1 つが不正に出現した。
WRDE_BADVAL
未定義のシェル変数が参照され、 かつ WRDE_UNDEF フラグでこれをエラーとして扱うように指示されている。
WRDE_CMDSUB
コマンド置換が起こり、 かつ WRDE_NOCMD フラグでこれをエラーとして扱うように指示されている。
WRDE_NOSPACE
メモリが足りない。
WRDE_SYNTAX
対応する括弧がない、クォートが合致しないといった、 シェルの書式エラー。

準拠

POSIX.1-2001

関連項目