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yppush - システム管理コマンドの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
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  3. 説明
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  5. 関連項目
  6. バグ
  7. 著者

名前

yppush - NIS データーベースの変更を強制的に伝播させる

書式

/usr/sbin/yppush [ -d domain ] [ -t timeout ] [ --parallel # | --port port ] [ -h host ] [ -v ] mapname ...

説明

yppush は更新された NIS データーベース (やマップ) を、マスターの NIS サーバー から同じ NIS ドメインに所属しているスレーブサーバーにコピーする。 通常は NIS マスターでのみ実行され、 /var/yp/Makefile でマスターのデーターベースが更新された後に起動される。 デフォルトでは、 /var/yp/Makefile からの yppush の起動は有効になっていない。これを有効にするには NOPUSH="True" の行をコメントアウトすること。

yppush は最初に所属するドメインの ypservers NIS マップを読み、スレーブサーバーのリストを生成する。 送り先のホスト (-h コマンドを使えば複数のホストを同時指定できる) は コマンドラインからも指定できる。 "transfer map" 要求がそれぞれのスレーブの NIS サーバーに送られ、 転送エージェントである   ypxfr (8) が yppush にコールバックを行う際に必要な情報が渡される。 このコールバックの結果は標準エラー出力に表示することもできる。 転送ができなかったとき (要求メッセージが受付けられなかったときなど) にもメッセージを表示させることができる。

オプション

-d domain
ドメインを指定する。デフォルトではローカルホストの NIS ドメインが 用いられる。ローカルホストのドメイン名が設定されていない場合は、 このフラグで指定しなければならない。
-t timeout
タイムアウトの時間を秒単位で指定する。このタイムアウトは、 yppush マップ転送要求をあるスレーブサーバーに出したあと、 スレーブからの反応を待つ時間である。ここで指定しただけ待つと、 リストの次のスレーブサーバーへ転送要求を送る。 デフォルトでは、 yppush は 90 秒待つ。大きなマップでは充分でないかもしれない。
--parallel # , -p #
yppush は通常転送を直列に行う。すなわちマップの転送要求を一つのスレーブサーバーに 出し、その回答を待ち、そして次のスレーブサーバーに次の転送要求を出す。 多くのスレーブがあるような環境下では、複数のマップ転送を同時にスタートし、 転送を並列に行う方が効率的である。 --port フラグで固定のポートを割り当てて、並列に動作させるのは不可能である。
--port port
yppush が接続を待つポートを指定する。 デフォルトでは yppushportmap(8) に無作為なポートを割り当ててもらう。 このオプションでポートを割り当てて、 --parallel または -p フラグで並列に動作させることは不可能である。
-h host
このフラグは、ユーザーの指定するマシン (もしくはマシンのグループ) にマップ転送を行うために用いる。通常は ypservers マップにリストされているサーバーに転送が行われる。 ホストのリストを指定したい場合は、 -h フラグを複数回用いればよい。
-v
詳細モード。実行時にデバッグ情報を表示するようになる。 このフラグを二回指定すれば、 yppush はさらに詳細に表示する。

関連項目

domainname (1),  ypserv (8),   ypxfr (8) 

バグ

NIS v1 での NIS マップ転送メカニズムは NIS バージョン 2 とは 異なっている。この yppush は NIS v2 システムのマップ転送しかサポートしていない。

著者

Thorsten Kukuk <kukuk@suse.de>