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basename - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. 注意
  6. バグ
  7. 準拠
  8. 関連項目

名前

dirname, basename - パス名を解析して各部分を取り出す

書式

#include <libgen.h>

char *dirname(char *path);
char *basename(char *path);

説明

警告: basename ()には異なるバージョンが 2つ存在する。下記を参照のこと。

dirname ()と basename ()は、NULL で終端されたパス名の文字列を、 ディレクトリ部分・ファイル名部分に分割する。 通常は、 dirname ()は最後の '/' までの部分 (最後の '/' は含まない) を返し、 basename ()は最後の '/' 以降の部分を返す。 文字列の末尾についた '/' 文字は、パス名の一部とはみなされない。

path に '/' 文字がない場合は、 dirname ()は文字列 "." を返し、 basename ()は path と同じ内容を返す。 path が文字列 "/" に等しい場合は、 dirname ()も basename ()も文字列 "/" を返す。 path が NULL ポインタだったり、空の文字列を指していた場合は、 dirname ()も basename ()も文字列 "." を返す。

dirname ()の返した文字列、 "/"、 basename ()の返した文字列、 を順に結合すると、完全なパス名が得られる。

dirname ()と basename ()は、いずれも path の内容を変更することがある。 したがって、これらの関数にはコピーを渡すこと。 さらに dirname ()および basename ()は、静的に割り当てられたメモリへのポインタを返すことがあり、 これらの領域は後の関数呼び出しで上書きされるかもしれない。

以下の一連の例 (SUSv2 から引用) は、 いろいろな path に対して dirname ()と basename ()が返す文字列を表したものである。

path  		dirname		basename
"/usr/lib"	"/usr"		"lib"
"/usr/"		"/"  		"usr"
"usr"		"."  		"usr"
"/"  		"/"  		"/"
"."  		"."  		"."
".."  		"."  		".."


char *dirc, *basec, *bname, *dname;
char *path = "/etc/passwd";


dirc = strdup(path); basec = strdup(path); dname = dirname(dirc); bname = basename(basec); printf("dirname=%s, basename=%s\n", dname, bname);

返り値

dirname ()と basename ()は、いずれも NULL で終端された文字列へのポインタを返す。

注意

basename ()には 2種類の異なるバージョンがある。 一つは既に説明した POSIX バージョンでであり、 もう一つは GNU バージョンで以下のようにして使用する。


" #define _GNU_SOURCE"
" #include <string.h>"
GNU バージョンは引き数を変更することはなく、 path の末尾が '/'の場合は空の文字列を返す。 特に path が "/" の場合も空文字列を返す。 dirname ()には GNU バージョンはない。

glibc では、 <libgen.h> をインクルードすると POSIX バージョンの basename ()が使用され、それ以外の場合は GNU バージョンとなる。

バグ

glibc の POSIX バージョンの実装では、引き数の内容が変更され、 引き数に ("/usr/" などの) 定数文字列を指定されると セグメンテーションフォールトを起こす。 バージョン 2.2.1 以前の glibc では、 glibc の dirname ()は末尾が '/' 文字になっているパス名を正しく扱えず、 引き数が NULL だとセグメンテーションフォールトを起こした。

準拠

POSIX.1-2001

関連項目