kazmax - Linux で自宅サーバー

getgrent_r - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. エラー
  6. 準拠
  7. 注意
  8. 関連項目

名前

getgrent_r, fgetgrent_r - グループファイルエントリをリエントラント (reentrant) に取り出す

書式

"#define _GNU_SOURCE"

#include <grp.h>
int getgrent_r(struct group *gbuf, char *buf,
size_t buflen, struct group **gbufp);
int fgetgrent_r(FILE *fp, struct group *gbuf, char *buf,
size_t buflen, struct group **gbufp);

説明

関数 getgrent_r()と fgetgrent_r()は  getgrent(3) と  fgetgrent(3) のリエントラント版である。 前者は、  setgrent(3) によって初期化されたストリームから、次のグループファイルのエントリを読み込む。 後者は、引き数 fpとして与えられたストリームから、次のグループファイルのエントリを読み込む。

group 構造体は <grp.h>において以下のように定義されている:

struct group {
      char    *gr_name;      /* グループ名 */
      char    *gr_passwd;    /* グループパスワード */
      gid_t   gr_gid;        /* グループ ID */
      char    **gr_mem;      /* グループメンバ */
};


リエントラントでない関数は静的な格納領域へのポインタを返す。 この静的な格納領域には、更にグループ名・パスワード・ メンバへのポインタが含まれる。 ここで説明されているリエントラントな関数は、 呼び出し側から提供されるバッファにグループ名など全てを返す。 最初の引き数として struct group を保持できるバッファ gbuf がある。 次にその他の文字列を保持できるサイズ buflen のバッファ buf がある。 これらの関数の結果 (ストリームから読み込まれた struct group) は、 提供されたバッファ * gbuf に格納され、この struct group へのポインタは * gbufp に返される。

返り値

成功した場合、これらの関数は 0 を返し、 * gbufp は struct group へのポインタとなる。 エラーの場合、これらの関数はエラー値を返し、 * gbufp は NULL になる。

エラー

ENOENT
次のエントリがない。
ERANGE
十分なバッファ空間が与えられていない。 もっと大きなバッファで再度実行すること。

#define _GNU_SOURCE
#include <grp.h>
#include <stdio.h>
#define BUFLEN 4096


int main() { struct group grp, *grpp; char buf[BUFLEN]; int i;
setgrent(); while (1) { i = getgrent_r(&grp, buf, BUFLEN, &grpp); if (i) break; printf("%s (%d):", grpp->gr_name, grpp->gr_gid); for (i = 0; ; i++) { if (grpp->gr_mem[i] == NULL) break; printf(" %s", grpp->gr_mem[i]); } printf("\n"); } endgrent(); return 0; }

準拠

これらの関数は GNU 拡張であり、POSIX 版の関数 getpwnam_r (3)の形式に似せてある。 他のシステムではプロトタイプ


struct group * getgrent_r(struct group *grp, char *buf, int buflen);

が使われている。 より良いものでは、

int getgrent_r(struct group *grp, char *buf, int buflen, FILE **gr_fp);

が使われている。

注意

関数 getgrent_r ()は本当のリエントラントではない。 なぜなら、ストリームの読み込み位置を 他の全てのスレッドと共有しているためである。

関連項目