getgrent_r - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表
名前
getgrent_r, fgetgrent_r - グループファイルエントリをリエントラント (reentrant) に取り出す
書式
"#define _GNU_SOURCE"
#include <grp.h>
int getgrent_r(struct group *gbuf, char *buf,
size_t buflen, struct group **gbufp);
int fgetgrent_r(FILE *fp, struct group *gbuf, char *buf,
size_t buflen, struct group **gbufp);
説明
関数 getgrent_r()と fgetgrent_r()は getgrent(3) と fgetgrent(3) のリエントラント版である。 前者は、 setgrent(3) によって初期化されたストリームから、次のグループファイルのエントリを読み込む。 後者は、引き数 fpとして与えられたストリームから、次のグループファイルのエントリを読み込む。
group 構造体は
<grp.h>において以下のように定義されている:
struct group { char *gr_name; /* グループ名 */ char *gr_passwd; /* グループパスワード */ gid_t gr_gid; /* グループ ID */ char **gr_mem; /* グループメンバ */ };
リエントラントでない関数は静的な格納領域へのポインタを返す。 この静的な格納領域には、更にグループ名・パスワード・ メンバへのポインタが含まれる。 ここで説明されているリエントラントな関数は、 呼び出し側から提供されるバッファにグループ名など全てを返す。 最初の引き数として struct group を保持できるバッファ gbuf がある。 次にその他の文字列を保持できるサイズ buflen のバッファ buf がある。 これらの関数の結果 (ストリームから読み込まれた struct group) は、 提供されたバッファ * gbuf に格納され、この struct group へのポインタは * gbufp に返される。
返り値
成功した場合、これらの関数は 0 を返し、 * gbufp は struct group へのポインタとなる。 エラーの場合、これらの関数はエラー値を返し、 * gbufp は NULL になる。
エラー
- ENOENT
- 次のエントリがない。
- ERANGE
- 十分なバッファ空間が与えられていない。 もっと大きなバッファで再度実行すること。
例
#define _GNU_SOURCE #include <grp.h> #include <stdio.h> #define BUFLEN 4096
int main() { struct group grp, *grpp; char buf[BUFLEN]; int i;
setgrent(); while (1) { i = getgrent_r(&grp, buf, BUFLEN, &grpp); if (i) break; printf("%s (%d):", grpp->gr_name, grpp->gr_gid); for (i = 0; ; i++) { if (grpp->gr_mem[i] == NULL) break; printf(" %s", grpp->gr_mem[i]); } printf("\n"); } endgrent(); return 0; }
準拠
これらの関数は GNU 拡張であり、POSIX 版の関数
getpwnam_r
(3)の形式に似せてある。
他のシステムではプロトタイプ
struct group * getgrent_r(struct group *grp, char *buf, int buflen);
が使われている。 より良いものでは、
int getgrent_r(struct group *grp, char *buf, int buflen, FILE **gr_fp);
が使われている。
注意
関数 getgrent_r ()は本当のリエントラントではない。 なぜなら、ストリームの読み込み位置を 他の全てのスレッドと共有しているためである。
関連項目
fgetgrent
(3),
getgrent
(3),
getgrgid
(3),
getgrnam
(3),
putgrent
(3),
group
(5)