lidsadm - システム管理コマンドの説明 - Linux コマンド集 一覧表
名前
lidsadm - Linux Intrusion Detection System 用の管理ツール
書式
"lidsadm -[S|I] -- [+|-][LIDS_FLAG] [...]"
"lidsadm -V"
"lidsadm -h"
説明
lidsadm
は
Linux Intrusion Detection System (LIDS)
用の管理ツールである。
LIDS は現在のLinux カーネルを拡張する、カーネルパッチである。LIDS によっ
て、重要なファイルや、ディレクトリや、デバイスを保護することができる。
さらにシステム全体に対して、アクセス制限をかけるACL を定義することもで
きる。LIDS の詳しい情報に関しては、
http://www.lids.org
を参照のこと。
lidsadm
は、ACL を定義し、LIDS の保護機能を管理するために使用される。
コマンド
それぞれのlidsadm ユーティリティの機能ごとに、コマンドは独立して定義さ れる。組み合わせて使用することはできない。
- -P
- RipeMD-160 で暗号化されたLIDS のパスワード(lids.pw に保存される) を設 定する。
- -S
- LIDS の保護機能を変更する(LIDS パスワードが必要)。
- -I
- LIDS の保護状態をパスワード無しで変更する("カーネルの封印"のときだけ 使用される)。
- -V
- LIDS システムの現在の状態を表示する。
- -v
- lidsadm のバージョンを表示する。
- -h
-
ヘルプを表示する。
LIDS_FLAG
- たくさんのフラグをセットすることができる。権限をセットしたり外し
-
たり、さらにLIDS システムをオンにしたりオフにしたりすることもできる。
使用可能な権限
LIDS で使われる権限には、下記のものがある。封印して切替えをすると
きに、権限を有効や無効にするために名前を使用することができる。
さらに、権限がシステム全体で無効になっているときでも、プログラムに権限
を与えることができる。
- CAP_CHOWN
- chown(2)/chgrp(2)
- CAP_DAC_OVERRIDE
- DAC access.
- CAP_DAC_READ_SEARCH
- DAC read.
- CAP_FOWNER
- ユーザーID とオーナーID が等しくない
- CAP_FSETID
- 実行ユーザーID とオーナーID が等しくない
- CAP_KILL
- 実/有効ID とプロセスID が等しくない
- CAP_SETGID
- setgid(2)
- CAP_SETUID
- set*uid(2)
- CAP_SETPCAP
- 転送権限
- CAP_LINUX_IMMUTABLE
- 不変か、付け加えられるファイル特性
- CAP_NET_BIND_SERVICE
- 1024 未満のポートへのバインディング
- CAP_NET_BROADCAST
- マルチキャストのブロードキャスト/リスニング
- CAP_NET_ADMIN
- インターフェース/ファイアーウォール/ルーティング 変更
- CAP_NET_RAW
- RAW ソケット(ping)
- CAP_IPC_LOCK
- 共有メモリーセグメントのロック
- CAP_IPC_OWNER
- IPC 所有者のチェック
- CAP_SYS_MODULE
- カーネルモジュールの挿入と削除
- CAP_SYS_RAWIO
- ioperm(2)/iopl(2) アクセス
- CAP_SYS_CHROOT
- chroot(2)
- CAP_SYS_PTRACE
- ptrace(2)
- CAP_SYS_PACCT
- プロセスアカウンティングの設定
- CAP_SYS_ADMIN
- 管理者の重み
- CAP_SYS_BOOT
- reboot(2)
- CAP_SYS_NICE
- nice(2)
- CAP_SYS_RESOURCE
- リソース制限の設定
- CAP_SYS_TIME
- システム時間の設定
- CAP_SYS_TTY_CONFIG
- TTY 設定
- CAP_MKNOD
- mknod() の特別な許可
- CAP_LEASE
- ファイルにリースを許可
- CAP_HIDDEN
- システムからプログラムを隠す
- CAP_KILL_PROTECTED
- プロセスに、保護されているプロセスをkill させることを許可/不許可
- CAP_PROTECTED
-
シグナルからプロセスを保護
有効なフラグ
これらのフラグは、管理オプションの"-S" と共に用いられる。
- LIDS_GLOBAL
- LIDS システム全体を有効/無効にする。
- RELOAD_CONF
- 設定ファイルと、プログラムのinode/dev 番号を再読込させる。
- LIDS
-
LIDS をローカルに(シェルと子プロセスも) を有効/無効にする。これは、
LIDS フリーセッション(LFS) として知られている。
例
下記にlidsadm の使用例をいくつか示す。
- lidsadm -I
- カーネルを、デフォルトの/etc/lids/lids.cap にある権限セットを用い て封印する。そのファイルは、自分自身で編集する必要がある。
- lidsadm -S -- -LIDS
- LIDS を現在のターミナルセッション上でオフにするときは、このオプションを 使用することを薦める。
- lidsadm -S -- -LIDS_GLOBAL
- LIDS を全体的にオフにする。システムは、もはやLIDS で守られていない。
その他の情報源
- メーリングリスト
-
参加、退会するときには、次のサイトを参照-
http://lists.sourceforge.net/lists/listinfo/lids-user
メッセ-ジをメーリングリストに投稿するときは、メールを次のところまで送信 してほしい- lids-user@lists.sourceforge.net
最新のLIDS メーリングリストのアーカイブは、次のところにある- http://www.geocrawler.com/redir-sf.php3?list=lids-user
古いアーカイブは、次のところにある- http://groups.yahoo.com/group/lids
- LIDS FAQ
-
LIDS FAQ は次のところにある-
http://www.lids.org/lids-faq/lids-faq.html
あるいは、
http://www.roedie.nl/lids-faq
バグ
LIDS に関するバグは、Xie やPhil に送るか、あるいはメーリングリスト (lids-user@lists.sourceforge.net) に送ってほしい。 カーネルをコンパイルするときに使った、.config ファイルと、/etc/lids に あるlids.conf とlids.cap ファイルを一緒に送ること。また、このマ ニュアルページでエラーを見付けたら、Sander Klein まで知らせて欲しい。
ファイル
/etc/lids/lids.conf
- LIDS 設定ファイル
/etc/lids/lids.cap
- 全体の権限の定義
/etc/lids/lids.net
- e-mail アラートの設定
/etc/lids/lids.pw
- 暗号化されたLIDS パスワード
関連項目
AUTHORS
Huagang Xie <xie@lids.org>
Philippe Biondi <biondi@cartel-securite.fr>
マニュアルページは、Sander Klein によって書かれた。 <roedie@roedie.nl>
配布
LIDS
の最新のバージョンは、
http://www.lids.org/
か、ミラーからダウンロードできる。
LIDS
is (C) 1999-2003 by Huagang Xie(xie@lids.org)。
その他の注意点は、lidsadm (8) のマニュアルを参照のこと。