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lidsconf - システム管理コマンドの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. オプション (ACL の)
  5. 使用可能な権限
  6. その他の情報源
  7. バグ
  8. ファイル
  9. 関連項目
  10. AUTHORS
  11. 配布

名前

lidsconf - Linux Intrusion Detection System 用の設定ツール

書式

lidsconf -A [-s subject] -o object [-d] [-t from-to] [-i level] -j ACTION
lidsconf -D [-s file] [-o file]
lidsconf -Z
lidsconf -U
lidsconf -L [-e]
lidsconf -P
lidsconf -v
lidsconf [-h|H]

説明


lidsconf は、Linux Intrusion Detection System (LIDS) の設定ツールである。
LIDS は現在のLinux カーネルを拡張する、カーネルパッチである。LIDS によっ て、重要なファイルや、ディレクトリや、デバイスを保護することができる。 さらにシステム全体に対して、アクセス制限をかけるACL を定義することもで きる。LIDS の詳しい情報に関しては、 http://www.lids.org を参照のこと。
lidsconf はLIDS に対してのアクセス制限情報を設定するために使用される。それに 関する全ての情報は、"/etc/lids/lids.conf" に保存される。

オプション (ACL の)

ACL は "Access Control List" の略である。LIDS のACL では、Subject がどの 様にObject に対してアクセス出来るのかを定義している。 Subject は、シ ステム上の、任意のプログラムファイルを指している。Object はファイルや、ディ レクトリや、その他の特別なオプション (MEM デバイス、RAW IO、隠しプロセ ス)を指している。Target は、Sbject のObject に対するアクセスタイプを定義 している。

ACL の書式は
[-s subject] [-d|-i TTL] -o object [-t timescale] -j TARGET
Subject を省略すると、ACL はそのObject に対するデフォルトのアクセスを
定義する。
-s subject
Subject とは、システム上の"/bin/login" のような、任意のプログラムであ る。
-o object [portscale]
Object はファイルや、ディレクトリや、その他の特別なオプション (CAP_SYS_RAWIO, CAP_HIDDEN, CAP_INIT_KILL, など) である。. Object が CAP_NET_BIND_SERVICE の場合には、例えば、"20-299,400-1002" のように、続けてポート番号の範囲を指定する必要がある。
-d
これは、DOMAIN 設定用である。これを指定すると、Subject はDomain で定義さ れているObject にのみアクセスが可能になる。このDomain 以外のObject に関する全てのアクセスは、できなくなる。
-i <inheritance level>
これで、Subjectの子プロセスに対してのACL の継承を指定する。 inheritance level は、どれぐらいまでACL が影響するのかを表している。継承レベル"-1" は、 無制限の継承を表す。 継承レベル1 は、親プロセスにより発生された、同じプログラムでは無い子プ ロセスがACL を継承するが、子プロセスが発生した子プロセス(すなわち、オ リジナルのプロセスから見た孫プロセス)には、ACL は継承されないというこ とを表している。 継承レベルは、親プロセスとは異なるプログラムの、子プロセスにのみ有効に なる。もし子プロセスが親プロセスと同じ場合には、親プロセスと完全に 同じ権限が与えられる。
-t タイムスケール
これは、ACL に対する時間制限である。この制限は、Subject 付きのACL に のみ、作用する。時間制限とは、ACL が有効になる時間帯である。タイム スケールの書式は、"hourminute-hourminute" になる。例えば、"0905-1021" は、 "9 時5 分から、10 時21 分まで" となる。
-j Target
Target には、通常のファイルアクセスACL に対してREAD, APPEND, WRITE, あ るいは IGNORE が設定できる。特殊なObject に対しては、Target はGRANT だけが設定できる。

使用可能な権限

LIDS で使われる権限には、下記のものがある。封印して切替えをすると きに、権限を有効や無効にするために名前を使用することができる。 さらに、権限がシステム全体で無効になっているときでも、プログラムに権限 を与えることができる。
CAP_CHOWN
chown(2)/chgrp(2)
CAP_DAC_OVERRIDE
DAC access.
CAP_DAC_READ_SEARCH
DAC read.
CAP_FOWNER
ユーザーID とオーナーID が等しくない
CAP_FSETID
実行ユーザーID とオーナーID が等しくない
CAP_KILL
実/有効ID とプロセスID が等しくない
CAP_SETGID
setgid(2)
CAP_SETUID
set*uid(2)
CAP_SETPCAP
転送権限
CAP_LINUX_IMMUTABLE
不変か、付け加えられるファイル特性
CAP_NET_BIND_SERVICE
1024 未満のポートへのバインディング
CAP_NET_BROADCAST
マルチキャストのブロードキャスト/リスニング
CAP_NET_ADMIN
インターフェース/ファイアーウォール/ルーティング 変更
CAP_NET_RAW
RAW ソケット(ping)
CAP_IPC_LOCK
共有メモリーセグメントのロック
CAP_IPC_OWNER
IPC 所有者のチェック
CAP_SYS_MODULE
カーネルモジュールの挿入と削除
CAP_SYS_RAWIO
ioperm(2)/iopl(2) アクセス
CAP_SYS_CHROOT
chroot(2)
CAP_SYS_PTRACE
ptrace(2)
CAP_SYS_PACCT
プロセスアカウンティングの設定
CAP_SYS_ADMIN
管理者の重み
CAP_SYS_BOOT
reboot(2)
CAP_SYS_NICE
nice(2)
CAP_SYS_RESOURCE
リソース制限の設定
CAP_SYS_TIME
システム時間の設定
CAP_SYS_TTY_CONFIG
TTY 設定
CAP_MKNOD
mknod() の特別な許可
CAP_LEASE
ファイルにリースを許可
CAP_HIDDEN
システムからプログラムを隠す
CAP_KILL_PROTECTED
プロセスに、保護されているプロセスをkill させることを許可/不許可
CAP_PROTECTED
シグナルからプロセスを保護

以下に、いくつかのlidsconf を使った例を示す。これらは簡単/平易なも のから、複雑/難解なものまである。 実際のファイル名はもっと具体的な ものが使われることに注意すること。 実際のシステム に合わせてファイル/ディレクトリを置き換えること。

lidsconf -A -o /sbin -j READ
このACL は、/sbin ディレクトリを読込み専用に保護する。
lidsconf -A -o /var/log/message -j APPEND
/var/log/messages を付加専用にする。
lidsconf -A -o /sbin/test -j IGNORE
/sbin を読込専用で保護するが、/sbin/test は保護しない。
lidsconf -A -o /etc/passwd -j DENY
/etc/passwd を全てのユーザーから隠す。ファイルを見るようなこと (open, stat, など)は、できなくなる。
lidsconf -A -s /bin/login -o /etc/passwd -j READ
/bin/login プログラムに、先ほどの設定で隠しファイルにされている /etc/passwd を読み込むことを許可する。 この場合、/bin/login のみが/etc/passwd を読むことができる。その他の プログラムやユーザーは、そのファイル(/etc/passwd) を見ることはできない。
lidsconf -A -o /home/httpd -j DENY
lidsconf -A -s /usr/sbin/httpd -o /home/httpd -j READ
lidsconf -A -s /usr/sbin/httpd -o CAP_NET_BIND_SERVICE 80 -i -1 -j GRANT
Web サーバーのServerROOT (/home/httpd) をDENY で保護し、httpd バ イナリー(/usr/sbin/httpd) のみがServerROOT (/home/httpd) を読み込む ことを許可して、さらにhttpd がポート番号80 番にのみバインドできるよう にすることを許可する。
lidsconf -A -s /bin/program -i 2 -o CAP_NET_ADMIN -j GRANT
/bin/program にCAP_NET_ADMIN の権限を与え、継承レベルを2 に設定してい る。
lidsconf -A -s /usr/X11/bin/XF86_SVGA -o CAP_SYS_RAWIO -j GRANT
XF86_SVGA にCAP_SYS_RAWIO の権限を、CAP_SYS_RAWIO が/etc/lids/lids.cap で無効になっているときにも、与える。
lidsconf -A -s /usr/sbin/httpd -d -o /home/httpd -j READ
httpd の実行ドメインを/home/httpd として定義している。/home/httpd 以外か らの、どのようなオペレーションも、httpd が動いているときには許可しない。
lidsconf -A -s /bin/login -o /etc/shadow -t 0900:1800 -j READ
/bin/login に/etc/shadow ファイルを、09:00 から18:00 の間だけ読み込ま せることを許可する。これにより、ユーザーのログインを、この時間だけに 制限することができる。
lidsconf -A -s /usr/sbin/sshd -o CAP_NET_BIND_SERVICE 10-22,300-1020 -j GRANT
/usr/sbin/sshd がポート番号10 から22 までと、300 から1020 までバイン ドすることができるように定義している。このケースでは、ssh はこの番号 の範囲のみでしかバインドできない。

その他の情報源

メーリングリスト
参加、退会するときには、次のサイトを参照- http://lists.sourceforge.net/lists/listinfo/lids-user
メッセ-ジをメーリングリストに投稿するときは、メールを次のところまで送信 してほしい- lids-user@lists.sourceforge.net
最新のLIDS メーリングリストのアーカイブは、次のところにある- http://www.geocrawler.com/redir-sf.php3?list=lids-user
古いアーカイブは、次のところにある- http://groups.yahoo.com/group/lids
LIDS FAQ
LIDS FAQ は次のところにある-
http://www.lids.org/lids-faq/lids-faq.html
あるいは、
http://www.roedie.nl/lids-faq

バグ

LIDS に関するバグは、Xie やPhil に送るか、あるいはメーリングリスト (lids-user@lists.sourceforge.net) に送ってほしい。 カーネルをコンパイルするときに使った、.config ファイルと、/etc/lids に あるlids.conf とlids.cap ファイルを一緒に送ること。また、このマ ニュアルページでエラーを見付けたら、Sander Klein まで知らせて欲しい。

ファイル

/etc/lids/lids.conf - LIDS 設定ファイル
/etc/lids/lids.cap - 全体の権限の定義
/etc/lids/lids.net - e-mail アラートの設定
/etc/lids/lids.pw - 暗号化されたLIDS パスワード

関連項目

AUTHORS

Huagang Xie <xie@lids.org>

Philippe Biondi <biondi@cartel-securite.fr>

マニュアルページは、Sander Klein によって書かれた。 <roedie@roedie.nl>


配布

LIDS の最新のバージョンは、 http://www.lids.org/ か、ミラーからダウンロードできる。

LIDS その他の注意点は、lidsadm (8) のマニュアルを参照のこと。