nice - システムコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表
名前
nice - プロセスの優先度を変更する
書式
#include <unistd.h>
int nice(int
inc
);
説明
nice ()は inc の値を nice を呼んだプロセスの nice 値に加える (nice 値が大きい数値ほど低い優先度を表す)。 負の数を指定する、つまり、以前よりも優先度を上げるという指定ができるのは スーパーユーザーだけである。 nice 値の範囲については getpriority (2) で説明されている。
返り値
成功した場合、新しい nice 値が返る (但し、下記の「注意」を参照)。 失敗した場合 -1 が返り、 errno がエラーの内容に従って設定される。
エラー
- EPERM
- スーパーユーザー以外が inc に負の数値を指定して優先度を上げようとした。 呼び出し元のプロセスが inc に負の数値を指定して優先度を上げようとしたが、 十分な権限を持っていなかった。 Linux では CAP_SYS_NICE ケーパビリティが必要である。 ( setrlimit (2)のリソース上限 RLIMIT_NICE に関する議論も参照のこと)。
準拠
SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001. しかし、Linux と (2.2.4より古い) (g)libc では返り値は標準と異なる。 詳細は以下を参照のこと。 SVr4 には他に EINVAL エラーコードについての記述がある。
注意
SUSv2 と POSIX 1003.1-2003 では、
nice
()は新しい nice 値を返すと規定されている。
一方、Linux システムコールと (2.2.4 より古い) (g)libc ライブラリ関数は
成功時に 0 を返す。新しい nice 値は
getpriority
(2) を使って取得できる。
glibc 2.2.4 以降では、
nice
()は
getpriority
(2) を呼び出すライブラリ関数として実装されており、
呼び出し元に返す新しい nice 値を
getpriority
(2) を呼び出して取得するようになっている。
この実装では、正常な動作でも -1 が返される可能性がある。
確実にエラーを検出するためには、
呼び出しの前に
errno
に 0 を設定し、
nice
()が -1 を返したときに errno をチェックすると良い。
関連項目
nice
(1),
fork
(2),
getpriority
(2),
setpriority
(2),
capabilities
(7),
renice
(8)