setfsuid - システムコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表
名前
setfsuid - ファイル・システムのチェックに用いられるユーザ ID を設定する
書式
#include <unistd.h>
/* glibc では <sys/fsuid.h> */
int setfsuid(uid_t
fsuid
);
説明
setfsuid
()は Linux カーネルがファイル・システムに対する
全てのアクセスのチェックに使用するユーザID を設定する。通常は
fsuid
の値は実効 (effective) ユーザID と同じになる。実際、
実効ユーザID が変更される度に
fsuid
もまた新しい実効ユーザID の値に変更される。
通常、
setfsuid
()や
setfsgid
()が明示的に呼び出されるのは、Linux NFS サーバー のように、
ファイル・アクセスに用いるユーザID / グループID を変更しなければならないが、
対応する実(real)/実効(effective) ユーザID / グループID は変更したくないような
プログラムに限られる。
NFS サーバーのようなプログラムで、通常のユーザID を変更すると、
プロセスを望まないシグナルにさらす可能性があり、
セキュリティ・ホールになる。(下記参照)
setfsuid
()は、スーパー・ユーザによって呼び出された場合か、
fsuid
が実ユーザID、実効ユーザID、
保存セットユーザID (saved set-user-ID)、現在の
fsuid
の値のいずれかに一致する場合にのみ成功する。
返り値
成功した場合、 fsuid の以前の値を返す。エラーの場合は fsuid の現在の値を返す。
準拠
setfsuid ()は Linux 特有であり、移植を想定したプログラムで使用してはいけない。 1.1.44 以降の Linux カーネルと 4.7.6 以降の libc に存在する。
バグ
いかなる種類のエラー・メッセージも呼び出し元に返さない。 失敗した場合は (呼び出し元には CAP_SETUID ケーパビリティがなかったのだから) 最低でも EPERM くらいは返すべきである。
注意
glibc が引き数がユーザID として不正だと判断した場合は、 システム・コールを行わず errno に EINVAL を設定して -1 が返される。
このシステムコールが導入された当時、プロセスは 同じ実効ユーザIDのプロセスへシグナルを送ることができた。 今日では、シグナル送信権限の扱いはかなり違うものになっている。