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strtod - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. エラー
  6. 準拠
  7. 注意
  8. 関連項目

名前

strtod, strtof, strtold - ASCII 文字列を浮動小数点実数に変換する

書式

#include <stdlib.h>
double strtod(const char * nptr , char ** endptr );
#define _XOPEN_SOURCE=600 /* or #define _ISOC99_SOURCE */
#include <stdlib.h>
float strtof(const char * nptr , char ** endptr );
long double strtold(const char * nptr , char ** endptr );

説明

strtod (), strtof (), strtold ()関数は、 nptr が指し示す文字列のはじめの部分を double , float , long double 型の値にそれぞれ変換する。
入力する文字列 (の先頭部分) は以下の形式が期待されている。 先頭にホワイトスペース、 次にプラス ("+") またはマイナス ("-") の記号、 その後に (i) 10 進数、(ii) 16 進数、(iii) 無限、 (iv) NAN (計算できない数、not-a-number) のいずれかがある (ホワイトスペース、符号は省略可能。 ホワイトスペースは isspace (3) で識別される)。

"10 進数" は 1 文字以上の 10 進の数字の列からなり、 基を表す文字 (radix charater) (小数点。ロケールに依存するが、通常は ".") が含まれることもある。 この後に 10 進の指数部が続いても良い。 10 進の指数部は "E" または "e" と、その後に置かれる正負記号 (省略可)、 およびその後に続く 1 文字以上の 10 進の数字の列からなり、 10 の何乗であるかを表す。

"16 進数" は、"0x" または "0X" とその後に続く 1 文字以上の 16 進の数字の列からなり、 基を表す文字が含まれることもある。 この後に 2 進の指数部が続いても良い。 2 進の指数部は "P" または "p" と、その後に置かれる正負記号 (省略可)、 およびその後に続く 1 文字以上の 10 進の数字の列から構成され、 2 の何乗であるかを表す。 基を表す文字と 2 進の指数部は、どちらか一方しか存在してはならない。

無限 は "INF" または "INFINITY" で表され、大文字小文字は区別されない。

NAN は "NAN" (大文字小文字は区別されない) で表され、 その後に `(' 文字列 ')' が続く場合もある。 この文字列は実装に依存する NAN を指定する。

返り値

これらの関数は、変換された値があれば、それを返す。
endptr が NULL でないときは、変換に使われた最終文字の次の文字へのポインターが endptr で参照される場所へ保存される。
変換が行われなかったときには 0 が返る。そして endptr が参照している場所に nptr の値 (変換対象である文字列の開始アドレス) が保存される。
正しい形式の数値文字列であるが、変換結果がオーバーフローを起こした場合 には、プラスまたはマイナスの HUGE_VAL ( HUGE_VALF , HUGE_VALL )が返り (値の符号による)、 ERANGEerrno に代入される。変換結果がアンダーフローを起こした場合には 0 が返り、 ERANGEerrno に代入される。

エラー

ERANGE
オーバーフローまたはアンダーフローが起こった。

準拠

C89 では strtod ()が、C99 では残りの 2 つの関数が記述されている。

注意

成功、失敗どちらの場合でも 0 を返す可能性があるので、 プログラムは呼び出す前に errno を 0 に設定し、呼び出し後に errno が 0 以外の値かどうかを確認しエラーが発生したかどうかを判断する 必要がある。

  strtol (3) のマニュアルページの例を参照。 このページで説明した関数の使用方法も同様である。

関連項目