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ttyslot - ライブラリコールの説明 - Linux コマンド集 一覧表

  1. 名前
  2. 書式
  3. 説明
  4. 返り値
  5. 注意
  6. 履歴
  7. 準拠
  8. 関連項目

名前

ttyslot - カレントユーザの端末のスロットをファイルから探す

書式


#include <unistd.h> /* BSD 系のシステムの場合 */
#include <stdlib.h> /* System V 系のシステムの場合 */
"int ttyslot(void);"

説明

レガシーな関数 ttyslot ()は、あるファイルに書かれているカレントユーザのエントリのインデックスを返す。

「どのファイルなのか?」という質問があるだろう。 では、まず最初にその歴史を見てみよう。

大昔の歴史

Unix V6 では /etc/ttys ファイルが使われていた。   init (8) プログラムは、このファイルを読み込み、 各端末行で何をすべきかを探す。 各行は 3 文字から構成されている。 1 文字目は '0' または '1' であり、 '0' は「無視する」ことを表す。 2 文字目は端末を示す: '8' は "/dev/tty8" を表す。 3 文字目は getty (8)への引き数であり、(接続を) 試みる回線速度の順序を表す ('-' は 110 ボーで接続の試行を開始することを表す)。 よって一般的な行は "18-" となる。 ある行でハングした場合は、'1' を '0' に変更し、 init にシグナルを送り、'0' を '1' 再度に変更し、 init に再度シグナルを送ることで解決する。

Unix V7 ではフォーマットが変更された: 2 文字目が getty (8)の引き数となり、(接続を) 試みる回線速度の順序を表すようになり ('0' は 300-1200-150-110 を繰り返すことを表し、 '4' はオンラインコンソール DECwriter を表す)、 行の残り (の文字) は端末名となった。 よって、一般的な行は "14console" となる。

後者のシステムの書式は、より精巧である。 System V 系のシステムでは、代わりに /etc/inittab がある。

大昔の歴史 (2)

一方、現在ログインしている人をリストするファイル /etc/utmp がある。 これは login (8)によって管理されている。 このファイルは固定されたサイズであり、ファイル内の適切なインデックスは、 login (8)によって決定される。 この際に ttyslot ()が呼ばれて、 /etc/ttys における行番号を見つける (行番号は 1 から数える)。

ttyslot の意味

よって、関数 ttyslot ()は、ファイル /etc/ttys におけるカレントプロセスの制御端末のインデックスを返す。 これは /etc/utmp におけるカレントユーザのエントリのインデックスと (通常は) 等しい。 BSD には未だに /etc/ttys ファイルがあるが、System V 系のシステムにはないので、 このファイルを参照することはできない。 よって、そのようなシステムでは 「 ttyslot ()はカレントユーザのユーザアカウントデータベースにおけるインデックスを返す」 とドキュメントに書かれている。

返り値

成功した場合、この関数はスロット番号を返す。 エラーの場合 (例えば、ファイルディスクリプタ 0, 1, 2 の何れも データベースにある端末に関連づけられていない場合)、 Unix V6, V7, BSD 系のシステムは 0 を返すが、 System V 系のシステムは -1 を返す。

注意

utmp ファイルは様々なシステムで /etc/utmp , /var/adm/utmp , /var/run/utmp のようにいろいろな場所にある。

この関数の glibc2 における実装では、ファイル _PATH_TTYS を読み込む。 これは <ttyent.h> において "/etc/ttys" と定義されている。 エラーの場合、0 を返す。 Linux システムには通常 "/etc/ttys" がないので、常に 0 を返す。

Minix には fttyslot ( fd )もある。

履歴

ttyslot ()は Unix V7 に登場した。

準拠

SUSv1。 SUSv2 では「過去の名残 (LEGACY)」と位置付けられている。 POSIX.1-2001 で削除された。 SUSv2 ではエラー時に -1 を返すことが要求されている。

関連項目