Linux fdiskコマンドでパーティションを作成する
Linuxで、ハードディスクのパーティションを管理するには、fdiskコマンドを使用します。 fdiskコマンドでは、ハードディスクのパーティションの作成、削除、また、パーティション情報を調べる事ができます。
ここでは、増設したハードディスクにパーティションを作成する手順を解説していきます。このページでは、ハードディスクにパーティションを作成する手順を解説します。
Last Update : 2013年08月11日
Linux fdiskコマンドでパーティションを作成する 項目
1. 新たに領域を作成する
fdisk コマンドでパーティションを作成します。パーティションを作成するデバイスをfdiskコマンドへわたします。
# fdisk /dev/sdb
fdisk コマンドはメニュー形式のコマンドとなります。
コマンドの実行後は、メニューからいくつかの処理を選択しながらパーティション作成を進めていきます。
「m」を入力するとヘルプを表示します。
# fdisk /dev/sdb
デバイスは正常な DOS 領域テーブルも、Sun, SGI や OSF ディスクラベルも
含んでいません
新たに DOS ディスクラベルを作成します。あなたが書き込みを決定するまで、変更は
メモリ内だけに残します。その後はもちろん以前の内容は修復不可能になります。
警告: 領域テーブル 4 の不正なフラグ 0x0000 は w(書き込み)によって
正常になります
コマンド (m でヘルプ): m ← 「m」を入力
コマンドの動作
a ブート可能フラグをつける
b bsd ディスクラベルを編集する
c dos 互換フラグをつける
d 領域を削除する
l 既知の領域タイプをリスト表示する
m このメニューを表示する
n 新たに領域を作成する
o 新たに空の DOS 領域テーブルを作成する
p 領域テーブルを表示する
q 変更を保存せずに終了する
s 空の Sun ディスクラベルを作成する
t 領域のシステム ID を変更する
u 表示/項目ユニットを変更する
v 領域テーブルを照合する
w テーブルをディスクに書き込み、終了する
x 特別な機能 (エキスパート専用)
memo
コマンドの実行時のメッセージにもありますが、コマンド「w」で変更内容をディスクに書き込みます。
書き込むまではディスクに変更は反映されません。
新たに領域を作成するには、 コマンドのヘルプ通り「n」を入力します。
コマンド (m でヘルプ): n ← 「n」を入力
コマンドアクション
e 拡張
p 基本領域 (1-4)
拡張領域を作るか、基本領域を作るかを選択します。
memo
ハードディスクは、4つまでのパーティションに分割できます。(※ 4つを超えることができない)
パーティションは、基本領域か、拡張領域となり、拡張領域は1つのハードディスクに1つだけ作ることができます。 基本領域だけで4つパーティションを作成すると、拡張領域を作成する事はできません。
拡張領域には、論理パーティションという領域を複数作ることができるので、多くのパーティションを必要とする場合には拡張領域が必要となってきます。
パーティションの最大数
- IDE :63(基本3 +論理60)
- SATA:15(基本3 +論理12)
- SCSI:15(基本3 +論理12)
今回は、1GBの基本領域を作成してみます。
コマンド (m でヘルプ): n コマンドアクション e 拡張 p 基本領域 (1-4) p ← 今回は基本領域を作成するので「p」を入力 領域番号 (1-4): 1 ← このディスクでは初めてのパーティションなので1を選択 最初 シリンダ (1-652, default 1): 1 ← このディスクでは初めてのパーティションなので先頭シリンダの1を入力 終点 シリンダ または +サイズ または +サイズM または +サイズK (1-652, default 652): +1024M ※ ここでパーティションとして確保するディスクサイズを指定します。今回は、1GB分を指定
「p」を入力すると現在のパーティション状況を確認できます。
コマンド (m でヘルプ): p ← 「p」を入力 Disk /dev/sdb: 5368 MB, 5368709120 bytes 255 heads, 63 sectors/track, 652 cylinders Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 bytes デバイス Boot Start End Blocks Id System /dev/sdb1 1 125 1004031 83 Linux ← 新しいパーティションができた
2. 領域のシステム ID を変更する
新規に作成したパーティションに何のファイルシステムを適用するかをここで決めます。
ext3やext4のファイルシステムを利用するつもりであればこの作業は不要です。
LVM用の領域や、拡張領域に変更する際等にここでシステムIDを変更します。
領域のシステム IDの一覧を確認するには、「l(小文字のL)」を押します。
コマンド (m でヘルプ): l ← 「l(小文字のL)」を押す 0 空 24 NEC DOS 81 Minix / 古い bf Solaris 1 FAT12 39 Plan 9 82 Linux スワッ c1 DRDOS/sec (FAT- 2 XENIX root 3c PartitionMagic 83 Linux c4 DRDOS/sec (FAT- 3 XENIX usr 40 Venix 80286 84 OS/2 隠し C: c6 DRDOS/sec (FAT- 4 FAT16 <32M 41 PPC PReP Boot 85 Linux 拡張領 c7 Syrinx 5 拡張領域 42 SFS 86 NTFS ボリュ da 非 FS デー 6 FAT16 4d QNX4.x 87 NTFS ボリュ db CP/M / CTOS / . 7 HPFS/NTFS 4e QNX4.x 2nd part 88 Linux プレー de Dell ユーテ 8 AIX 4f QNX4.x 3rd part 8e Linux LVM df BootIt 9 AIX ブート 50 OnTrack DM 93 Amoeba e1 DOS access a OS/2 ブート 51 OnTrack DM6 Aux 94 Amoeba BBT e3 DOS R/O b W95 FAT32 52 CP/M 9f BSD/OS e4 SpeedStor c W95 FAT32 (LBA) 53 OnTrack DM6 Aux a0 IBM Thinkpad eb BeOS fs e W95 FAT16 (LBA) 54 OnTrackDM6 a5 FreeBSD ee GPT f W95 拡張領 55 EZ-Drive a6 OpenBSD ef EFI (FAT-12/16/ 10 OPUS 56 Golden Bow a7 NeXTSTEP f0 Linux/PA-RISC 11 隠し FAT12 5c Priam Edisk a8 Darwin UFS f1 SpeedStor 12 Compaq 診断 61 SpeedStor a9 NetBSD f4 SpeedStor 14 隠し FAT16 <3 63 GNU HURD また ab Darwin ブー f2 DOS セカン 16 隠し FAT16 64 Novell Netware af HFS / HFS+ fb VMware VMFS 17 隠し HPFS/NTF 65 Novell Netware b7 BSDI fs fc VMware VMKCORE 18 AST SmartSleep 70 DiskSecure Mult b8 BSDI スワッ fd Linux raid 自 1b 隠し W95 FAT3 75 PC/IX bb 隠し Boot Wiz fe LANstep 1c 隠し W95 FAT3 80 古い Minix be Solaris ブー ff BBT
左側の数字or記号が領域のシステムIDとなります。5の拡張領域、83のLinux(ext3,4)8eのLinux LVMはよく使います。
一度、8eのLinux LVM用のシステムIDに変更してみます。領域のシステムIDを変更するには、「t」を押します。
コマンド (m でヘルプ): t ← 「t」を押す 選択した領域 1 16進数コード (L コマンドでコードリスト表示): 8e ← Linux LVMのシステムIDを入力 領域のシステムタイプを 1 から 8e (Linux LVM) に変更しました コマンド (m でヘルプ): p ← 領域テーブルの確認 ディスク /dev/sdb: 5368 MB, 5368709120 バイト ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 652 Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes ディスク識別子: 0x52786e18 デバイス ブート 始点 終点 ブロック Id システム /dev/sdb1 1 132 1060258+ 8e Linux LVM ← システムIDが変わった
今回は、ファイルシステムをext4として作る予定ですので、システムIDを元に戻します。
コマンド (m でヘルプ): t ← 「t」を押す 選択した領域 1 16進数コード (L コマンドでコードリスト表示): 83 ← Linux用のシステムIDの83を入力 領域のシステムタイプを 1 から 83 (Linux) に変更しました コマンド (m でヘルプ): p ← 領域テーブルの確認 ディスク /dev/sdb: 5368 MB, 5368709120 バイト ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 652 Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes ディスク識別子: 0x52786e18 デバイス ブート 始点 終点 ブロック Id システム /dev/sdb1 1 132 1060258+ 83 Linux ← システムIDが変わった
3. 変更内容をディスクに書き込む
最後に変更したパーティション情報をディスクへ書き込みます。
変更をディスクへ書き込むには、「w」を押します。
コマンド (m でヘルプ): w ← 「w」を押す
パーティションテーブルは変更されました!
ioctl() を呼び出してパーティションテーブルを再読込みします。
ディスクを同期しています。
作成したパーティションができているか確認します。
# fdisk -l /dev/sdb
ディスク /dev/sdb: 5368 MB, 5368709120 バイト
ヘッド 255, セクタ 63, シリンダ 652
Units = シリンダ数 of 16065 * 512 = 8225280 バイト
セクタサイズ (論理 / 物理): 512 バイト / 512 バイト
I/O size (minimum/optimal): 512 bytes / 512 bytes
ディスク識別子: 0x52786e18
デバイス ブート 始点 終点 ブロック Id システム
/dev/sdb1 1 132 1060258+ 83 Linux ← 作成されたパーティション
memo
変更しない場合は、Ctrl + c でコマンドから抜けたり、「q」で変更を保存しないで終了することができます。